ドラマ絶好調の『ガリレオ』 映画はどこまでヒットするか

映画

更新日:2013/6/10

 平均視聴率20.6%(6話時点)と、4月期のドラマでトップを独走する『ガリレオ』。6月に公開されるシリーズの映画版『真夏の方程式』が、2008年に公開した前作『容疑者Xの献身』の興収49.2億円を超えるのではとの期待も高い。

真夏の方程式』は、物理学者・湯川学が、海辺の町で起きたある事件とその家族に関わっていく物語。短編小説やドラマの「ガリレオ」シリーズでは、湯川が殺人事件の動機に全く興味がないという理由から、謎の事象を追うことに終始している。対して長編小説や映画は、事件の背景にある人間の思いや因縁も掘り下げられていて、奥行きのある人間ドラマと“人間味のある湯川”に会えるのが見どころだ。特に今回の『真夏の方程式』では、子ども嫌いの湯川と少年との交流が描かれるのが新鮮。少年と湯川が試す「海岸から200メートル先の海の中を見る」実験シーンは胸が躍るし、湯川が少年のために残すラストのセリフは深い余韻を残す。

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 フジテレビ映画事業局の稲葉直人プロデューサーは見どころについて、「2時間という時間の中で濃密な人間ドラマが展開され、深い感動をもたらす作品を目指した。9月から12月までの長期ロケを敢行した甲斐もあって、ひとつ一つの映像もじっくり丁寧にカメラに収められています。そのクオリティの高さを体感してほしい」と語る。

文=平山ゆりの/日経エンタテインメント!
(ダ・ヴィンチ7月号「出版ニュースクリップ」より)