自転車+旅感覚で急がず走ろう! 「散走」の魅力とは?

スポーツ

公開日:2013/6/28

 近年、人気の趣味として定着しつつある自転車。ロードバイクやマウンテンバイクなどスポーツタイプがトレンドとしてある一方で、この頃、先を急がない走り方を提案する本を書店でいくつか確認できる。その走行は、走ることを目的とした「サイクリング」に対して「putter(=ぶらつく)」という単語をもじって、長年「ポタリング」と呼ばれていた。それが最近、散歩から派生した「散走」という呼び名が広がり、とくに若い世代や女性で親しむ人が増えているという。

 好きなコースを思い思いに自転車で走るだけ。「どんな自転車でもOK」という手軽さ、気軽さが散走の魅力。ただし、事故のリスクを減らすためにも、正しい知識を仕入れておくことは大切。いくつかオススメの本を紹介しよう。

advertisement

「まず自転車選びから」という人には、“自転車旅”の入門書的存在で、ギア情報の多さがウリの『シクロツーリスト』(グラフィック社編集部/グラフィック社)。自分に合う相棒をゲットしたなら、『自転車はここを走る!』(疋田 智、小林成基/エイ出版社)で予習を。「たかが自転車に乗るだけで予習?」と見くびることなかれ。バスレーンやトンネルなどの正しい走り方や、自転車保険加入ガイドなど、自転車に安全に乗るための情報を網羅。知っているようで知らなかいルールなど、意外な発見もあるだろう。遠出に挑戦したいなら、ロングライドでも疲れない正しい乗り方の指南に特化した『自転車の教科書』(堂城 賢/小学館)も役立つ。

 いよいよ散走の準備ができたら、都内の定番ルートを集めた『東京ぶらり自転車散走』(実業之日本社)や、都内を中心に奥多摩の峠越え等の応用編が加わった『東京周辺自転車散歩』(山と渓谷社)といったガイド本を、バッグに忍ばせておけば安心だ。また、通勤ルートや予定している散走ルートに大型の幹線道路がある、という人は『東京自転車抜け道ガイド』(自転車生活ブックス編集部/ロコモーションパブリッシング)で危険な道を回避。自転車で走りやすく、かつ景観も良いルートというのは、車と違い、なかなか自分では調べにくいだけにありがたい。

 ランドマーク巡りや食べ歩きなどを楽しみながら、自分のペースで走るだけのアウトドア「散走」。「チャリガール」なんて言葉が出てきそうなスタイルである。

文=池尾優