「おでんはごはんのおかずになるか」問題、ついに終止符!?

食・料理

更新日:2013/7/3

 ネット上にはたびたび議論に上がるテーマがいくつも存在するが、そのひとつに「おでんはごはんのおかずになるのか」問題がある。つねに「物足りない」「酒のつまみ」という否定派と、「煮物の一種だから合う」「おかずじゃなければ何?」という肯定派に分かれるのだが、ついにその問題に終止符を打つ(!?)マンガが登場した。

 『口福三昧』(講談社)は、『酒のほそ道』(日本文芸社)をはじめとして数々のグルメ漫画を執筆してきたラズウェル細木の最新刊。著者の溢れる食への好奇心を綴ったコミックエッセイ風のマンガ作品なのだが、このなかで、ごはんのおかずとしておでんを食する実験を行っているのだ。

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 東京の老舗おでん店・お多幸にて著者がセレクトしたのは、だいこんにがんもどき、ふくろ、ごぼうまき、ちくわぶ、しらたき、はんぺんの7種。これらを白飯とたいらげてみた結果は、「やっぱりおかずにならない」。意外にもしらたきは○、だいこん、ふくろは△とジャッジし、そのほかの種には×を付けている。なかでもちくわぶにはダブルでバッテンが入っている。「東京風のかなり濃い味付け」のおでんだったようだが、食漫のプロをもってしても白飯との相性はよくなかったらしい。ただ、おでん定食などの場合、茶飯(醤油を足して炊いたご飯)がついていることを指摘し、「白いごはんに合わないがゆえの“苦肉の策”では?」とまとめている。

 さらに本書では、粉山椒の使い道についても実験。というのも、ある調査によると「家庭における調味料・香辛料の中で賞味期限が切れている確率が最も高いのが粉山椒」らしいのだ。たしかに使い道といえば、うなぎか焼き鳥といった家庭では頻繁に食卓に上がらないおかずたちばかり。しかし、著者の果敢な冒険によって導き出された「粉山椒と相性のいいランキング」によれば、ホットドッグやカルボナーラ、ピザとも合うといい、とんこつラーメンは「濃厚スープがさわやかになる」そうだ。そして堂々の1位に選ばれたのは、なんとコーンスープ。「スイートでクリーミーなコーンスープに粉山椒のフレッシュな香りとピリッとした刺激が加わって実に合いまする」と絶賛している。

 このような実験のほか、食の蘊蓄や豆知識が満載の本書。鯛飯やフグ鍋、ベトナムのハーブ入りサンドであるバイン・ミーなど、取り上げられているメニューも年齢層高めなので、大人の食漫を楽しみたい人にはとっておきの1冊だろう。