恋愛は文豪に学べ! 恋愛体質になれる名言集

恋愛・結婚

更新日:2013/7/5

僕は、流れる水だ。ことごとくの岸を撫でて流れる。
僕はみんなを愛している。きざかね。―太宰治『パンドラの匣』

 言わずと知れた、恋多きキザ男・太宰治。心中未遂を繰り返し、最後にはその思いを成し遂げた。どこまでが事実なのかは定かではないが、彼の恋の経験は、多くの作品で代弁されている。“自由に生きて、自由に恋を語り、人を愛した”彼の言葉を、現代でも通用する究極の恋愛メッセージと捉えたのが、『恋愛合格! 太宰治のコトバ66』(高野てるみ/マガジンハウス)だ。

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 同書では、彼が残した90余りの作品の中から、66の言葉を厳選。「恋に効くコトバ」「愛に効くコトバ」「結婚の始まりと終わりに効くコトバ」などと分類されており、一生使えそうな1冊だ。名言の中でも恋愛のエッセンスになりそうなキーワードを○で隠しており、下記のように、想像しながら読み進められるようになっている。

ほんとうの女らしさというものは、
あたし、かえって、
男を○○○強さに在ると思うの。(『火の鳥』)

 みなさんおわかりになるだろうか。答えは「かばう」。著者の高野さんは、この言葉を「多くの男たちが、女に願ってやまない思いを素直に吐露した言葉」と説き、男性が抱く女性の理想像として挙げている。小さい頃から母親に守られてきた男性が、強そうに見せて生きなければならない世の中、女性の母性を感じたいという人も多いのかもしれない。

 もっとたくさんの偉人たちの言葉を知りたいなら、『愛が深まる言葉 名言が教える――その恋愛を後悔しないヒント』(里中李生/三笠書房)はいかがだろうか。世界的な文豪や哲学者の恋愛名言を網羅したもの。言葉の主は、ニーチェ、ユゴー、ゲーテ、三島由紀夫、小渕健太郎(コブクロ)と幅広い。彼らの名言をもとに、著者・里中李生さんが辛口恋愛論を繰り広げている。例えば、「後悔する恋」についての項目では、「涙とともにパンを食べた経験のないものに、人生の味はわからない。」というゲーテの言葉から、「好き」なだけでは結婚してはいけないと説く。その論は、本人も叩かれまくっていると自負しているように差別的にも見えるのだが、彼が見た愛の本質が書かれている。「男が生きていくために必要なのは女」「男は大いに浮気すべき」などとズバッと言い切るところが潔い。

 経験則から語られる恋愛論には、どれも説得力がある。恋にお悩みの方は、女を知り尽くした男たちの言葉に、解決策を求めてみてはいかがだろうか。

文=廣野順子(Office Ti+)