ラノベ作家と結婚したら……知られざるラノベ作家の日常とは?

マンガ

更新日:2013/7/16

 『バクマン。』(小畑 健:著、大場つぐみ:原著/集英社)に『まんが道』(藤子不二雄A/中央公論新社)、『アシさん』(タアモ/小学館)といったマンガ家マンガは溢れかえっているが、ラノベ作家の日常はいまだに謎に包まれている。しかし、ついにラノベ作家の日常を暴く作品が6月24日に発売された。それが、マンガ家である作者がラノベ作家の夫・ひー氏との生活を描いた『「マンガ家」嫁さんと「ラノベ家」夫くん』(ゆづか正成/PHP研究所)だ。

 ラノベ作家と聞くと、なんだか家に引きこもってもくもくと執筆しているイメージがあるかもしれない。でも、実はサラリーマンや他の仕事と兼業しながらラノベを書いている人が多いそう。ひー氏も、専門学校のラノベ学科に個人指導に行っているし、他にもライターやアニメ、ゲームの脚本やノベライズといった実際に文章を書くものから新人賞の応募作品を読む下読みをしている人までいろいろ。それに、作家やマンガ家なら締切前に缶づめになる人もたくさんいると思うが、ラノベ作家の缶づめ方法はマンガのようにかさ張る道具も必要ないので、カラオケBOXという人もいるそう。だから、いろんな店のコンセント情報にも詳しい。「○○店はカウンターにあって仕事しやすいよね」とか「××店は西側の席なら届くんだけど…」と、まるでケータイの充電を気にする女子学生のような会話が交わされるのだ。

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 流行のファッションに詳しかったり、ラノベ作家の女子力は意外にも高めだ。キャラクターの描写のために調べたりもするので、自然と詳しくなるよう。それに、話を作る職業の人たちはさまざまなキャラを生み出して動かすからか「実際の性別より中性寄りな部分を持った人が多い印象」があるという。なかにはビーズアクセをつくるのが得意な人やポーチなどの小物のセンスが女子目線な人もいるようだ。ひー氏が選んだ結婚式のドレスも大好評だったらしく、作者的には女子力完敗でかなりショックだったよう。

 時間があるときには自炊したりもする。体を壊して仕事ができなくなってしまうと収入が0になってしまうからだ。共働きの家庭なら、これはとてもありがたいはず。ひー氏も、作者のアシスタントが来るときや締切前に食事を作ってくれるし、一定量のストレスを超えるとスイーツを作り出すこともある。

 こうやって見てみると、意外にもオタクで引きこもりなイメージとは程遠いラノベ作家たち。むしろ、女子力高めな会話まで楽しめるならかなり高ポイント。ラノベ作家と結婚してみるのも、悪くない?

文=小里樹