あまちゃんもビックリ!? レオタードの「海女さん」がいる島

社会

更新日:2013/7/22

 もういくつ寝ると、夏休み。花火に祭りに海水浴、夏だからこそ楽しめるイベントが盛りだくさん。人によっては、国内から離れ海外旅行を、なんて考えているのでは。だがちょっと待ってほしい。そんな夏休みの過ごし方、今ではだれもがやっているようなこと。通ならば国内に目を向けるべきではないだろうか。

 日本は島国である。そんなこと、今さら言わなくても常識的なことだろう。しかし、その「島」の数がいくらあるかご存知だろうか。その数なんと6852。そしてそのなかには、思わず惹きつけられるような島も存在する。そう、今年の夏は海外にいくのではなく、ぜひ、通っぽく、日本の島々をめぐってみてほしいのだ。

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 というわけで、6月28日に発売された『珍島巡礼』(イカロス出版)から、夏の思い出に残ること間違いなしな、魅力的な島々をご紹介しよう。

『あまちゃん』で一躍人気になった「海女さん」が活躍するのは、作品の舞台になった東北だけではない。長崎は壱岐島にも「海女さん」はおり、しかも普通の「海女さん」とはひと味違うのである。なんと壱岐島の「海女さん」は、ウエットスーツではなくレオタードを着るのだ。おっと、ここでセクシーな幻想にとらわれてはいけない。なぜなら、シャツや水着を着込んだ上にレオタードを着るので、セクシー性はほぼ皆無であるらしいのだ。ここまでしてレオタードを着るには理由がある。それは、乱獲を防ぐため、採りすぎ防止のため、寒さに強いウェットスーツの着用を禁止しているからなんだとか。だからってレオタードを着ることはないんじゃあ……と思われるかもしれないが……、ここは純粋に、珍しい「海女さん」がいるというノリで、壱岐島を訪れてみよう。

 さて、廃墟系好きならば、必ずいってみたいと思うのが「軍艦島」。島全体が廃墟と化し、ノスタルジックさと、盛者必衰の無常さがひしひしと感じられる場所である。しかし、ここはあえて、別の島へと目を向けてみよう。その島の名は「池島」。軍艦島と同じ、長崎県にある、2001に閉山された、九州最後の炭坑島である。島に降り立ち、真っ先に見える雄大な工場施設の数々はもちろん稼働されておらず、廃墟となっている。その迫力は、圧巻のひとことにつきるだろう。また、マニアにたまらないのは、巨大なアパートが建ち並ぶ住居跡。といっても完全な廃墟ではなく、住んでいる人もまだいるみたいだが、そのほとんどが空室。人が住むところとして整備された場所でありながら、極端に人の匂いや営みの形跡がないため、その場所に立てば、背筋からゾクゾクっと、えもいわれぬものが立ちのぼってくるだろう。廃墟マニアにはたまらないであろうこの島、近年は炭坑ツアーも開催されていて、訪れやすい点も魅力的だ。

 夏に訪れるにはむずかしいかもしれないが、年に3日だけしか出現しない幻の島がある。それは沖縄にある「八重干瀬」で、100種類以上のサンゴ礁で構成される珍しい島。1年の大半は海の中にあり、春の大潮の時期に3日間だけ姿を現すらしい。その間、沖縄では「浜下り」という、潮干狩りをしながら1日を過ごし、春の訪れを祝うという行事が行われるのだが、宮古の人々は八重干瀬に渡り、それを行うらしい。この島でも、上陸ツアーが開催されているらしいので、タイミングが合う人は、ぜひ上陸を目論んでみてはいかがだろうか。

 猫好きにはたまらない、そんな島があることをご存知だろうか。その島の名は「田代島」。「猫の島」と呼ばれるほどに、猫の数が多いこの島。今では、住民よりも猫の数が上回っているんだとか。そのため、上陸してから集落にいくまでに、とにかく猫の見ないところはないほどに歓迎を受けるらしい。なぜ、そんなに猫だらけなのかといえば、昔はこの島の各家庭では「養蚕」が行われており、カイコの天敵であるネズミを退治するため猫を飼い始めたことを皮切りに猫が自然繁殖。そこで間引きなどもせずに、大切に扱ったことから産めや増やせやの大盤振る舞いで、今に至ったんだとか。ちなみに、この島、猫の天敵である犬の持ち込みは原則的に禁止。まさに、猫のパラダイスなのだ。

 もちろん、これ以外にも、珍奇な風習や奇祭が残る島や上陸すること自体がむずかしい島など、さまざまな島が日本にはある。こんな魅力的なものがあるのに、それを放っておいて海外にいくのなんかもったいない。この夏は、ぜひ島めぐりで一生の思い出を作りあげてほしい。