究極のポジティブシンキング!? 攻めて攻めて攻めまくる主人公がすごい!

BL

公開日:2013/8/25

 強引で自分勝手な男は嫌われるのでは? と不安に思い、なかなか積極的に行動できないという人は少なくないはず。しかし、本当に好きな相手を口説くためならときには強引に攻めることも必要だ。そして、7月16日に発売された『そんな王子に迫られて』(ケビン小峰/東京漫画社)では、ナルシストでウザキャラの御曹司・光武央児が高校の同級生で同じくナルシストな会社員の多田司を落とすため、押せ押せでつきまとう。そこで、思わずほだされてしまうような央児の攻めっぷりを見てみよう。

advertisement

 まず、その行動力を武器にどんどん迫ってくる央児。昼休みになると、司と一緒にランチを食べるため会社の入り口で「待っていたぞ光武央児だ!」と声をかける。家に帰ると、玄関前で「おかえり司」と待っていたこともあるし、ちゃっかり家に上がり込んでいることも。さらには「君とより多くの時間を共有する手段を思い付いたのでね」と言って会社に押しかけ、取引先として契約したうえで司をその窓口に指名してくる。それに、突然キスしたせいで驚いた司に殴られ、逃げられても、翌日には何事もなかったかのように花束を抱えて家まで押しかけるのだ。ここまで付きまとわれると、いろんな意味で意識せざるを得ない。

 また、央児はかなりのポジティブシンキングなので、司に「こんな奴友達じゃねぇんだから!」と言われても「確かに遠からず友人以上の関係になる予定だな」と当然のように返す。そして、その妄想力は何気ない習慣にも発揮される。司がタバコを吸っていると「タバコはやめたまえ」と言って口にくわえていたタバコを取り上げ、「いずれ自分のものになるのであれば心身ともに状態が良い方が好ましい」と口説きだすのだ。さらに、央児から逃げようとする司に「嫌い嫌いも好きのうち」「そのように私を激しく意識している以上この先どう転ぶかはわからんぞ」と言いながら、腕を掴んで強引に拉致しようとする。央児は、もう何を言われても、まったく聞く耳を持たないのだ。ここまで話を聞いてくれないなら、司のように「諦めの境地」に達してしまうのも無理はない。

 それに、思ったことは何でも口にするタイプの央児は、相手を口説くときでもなんでも言葉にしてしまう。最初の告白でも「必ず私を好きになってもらうぞ」と宣言するし、司が自分の妹に妬いたと思うと、笑顔で「早く私のものになりたまえ!」と言って腕を広げる。いきなりキスしたときも「男として肉の欲望を抱いている」と言い放ち、その欲求までストレートに伝えてしまうのだ。「昨夜は君の夢を見たのだよ」と言って司に語った内容は、彼が自分に愛を語るというもので「そろそろ現実になり得そうな正夢であると思ったのだが」と嬉しそうに話す。さらに、実際に司と付き合うことになって押し倒されたときも、まったく動じず「では司私を抱くかね?」と笑顔で受けようとするのだ。極めつけは、初めてのセックスシーン。怖がって「そんなの入るわけねぇって!」と泣く司に対して、央児は「大丈夫だ司入る…入るよそれが愛だ」なんて真顔で言ってのける。でも、このおかげで司の緊張がほぐれたのも事実。

 多少鬱陶しくても、ここまでストレートにぶつかってこられたら、やはり気になる。それに、ここまで押しまくっていれば、引いたときの効果も抜群! いつの間にか、相手の方が物足りなくなって意識してしまうのだ。嫌われるのが怖くて何もできなくなるくらいなら、ストーカーとして捕まらない限り央児みたいに攻めまくるのもアリかも!?

文=小里樹