「黒バス」ファンに聞いた、『黒子のバスケ』人気の秘密

マンガ

公開日:2013/10/10

 2009年の連載開始から4年。TVアニメ化で一気にブレイクし、いまや『週刊少年ジャンプ』を代表する作品のひとつとして多くのファンに愛されている『黒子のバスケ』。『ダ・ヴィンチ』11月号では『黒子のバスケ』を特集。同誌でしか見られない描き下ろしイラスト「黒子テツヤ&火神大我×本」や、『HUNTER×HUNTER』の冨樫義博、黒子役の声優を務める小野賢章など、著名人からの豪華メッセージを掲載。さらに、『黒子のバスケ』ファンにアンケートを実施、その人気の秘密を検証している。

――幅広い世代の支持を集めている『黒子のバスケ』。作品の魅力はどんなところにあるのか。「『黒子のバスケ』が好き」と回答した500人のファンに「『黒子のバスケ』を好きな理由」について聞いた。もっとも多かったのは“キャラクター”に関する回答。これには「黒バス」を読んだことがある人なら誰でも納得のはず!

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 コメントには、「すべてのキャラに個性があって、それぞれ違った魅力がある」(会社員・男性・21歳)、「他校が単なる敵方という役割でなく、もともと同じ学校にいた仲間で過去の絆があり、そんな中で悩んだり悔んだりしているキャラクターが魅力的」(自営業・女性・27歳)、「どの学校の生徒もキャラが立っていて、脇役も含めてすべてのキャラを好きだと思える」(学生・女性・22歳)など、メインキャラはもちろん、脇役に至るまでキャラクターの個性が細かく掘り下げられていることに多くの人が惹かれているようだ。

 また、女性の意見として「みんなかわいい!」(パート・女性・28歳)など、キャラクターのルックスがいいという声も多数。タイプの違ったイケメンがこれだけ大量に登場すれば、それも当然か!?

 次に多かった回答は『黒子のバスケ』を“スポーツマンガ”としてとらえたもの。「自分も試合に参加しているような臨場感がある」(会社員・男性・34歳)、「緑間の3Pロングシュートとか強烈なプレイが熱い。そんな必殺技をちゃんとスポーツマンガとして成立させているから」(会社員・男性・27歳)、「飛び抜けて強い奴ら同士がぶつかりあうのが少年誌の王道的で単純に面白い」(無職・男性・24歳)、「WCの誠凛・桐皇戦とか試合の盛り上がり方がハンパじゃない。ライバル校同士の試合も面白い」(自営業・男性・28歳)、「主人公のチームが負けるところがリアル。そこから成長していくのがいい」(専業主婦・女性・19歳)といったコメントが寄せられた。

 次々と連発されるバトルマンガのような派手なスーパープレイ、ライバルの誰もが強敵なために先が読めない試合展開、迫力満点のバスケ描写、そして試合を通して成長していくキャラクターたち。スポーツマンガの王道を押さえつつも、必殺技などの斬新な演出の見せ場がたっぷり盛り込まれているところが「黒バス」の大きな魅力だ。

 主人公から脇役まで多種多様なキャラクターが登場し、それぞれの関係や成長を細かく描写するところが「黒バス」の特徴のひとつ。主人公以外にもお気に入りが見つかるはずで、時には敵チームに肩入れするなんてことも? そんな魅力ある多彩なキャラクターたちが絡みあうことで熱いドラマが生まれ、その相乗効果に多くのファンは興奮する。そして気づけば「黒バス」の虜になってしまうのだ。

取材・文=橋富政彦
(『ダ・ヴィンチ』11月号「黒子のバスケ」特集より)