空腹時、閲読注意! 女子のための食欲をそそる「グルメマンガ」ベスト5

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更新日:2014/1/27

  ここ数年で、女の子を主人公とした「食」がテーマのマンガが続々登場! 主人公が大きな口で頬張り美味しそうに食べる姿が見事な『たべるダケ』や、糠、粕、麹はお手のもの、健康志向な料理で参考にしたくなる『日日べんとう』、恋や仕事、将来とそれぞれに悩みを抱える「朝食女子」たちの日常を描く『いつかティファニーで朝食を』など、楽しむポイントはさまざまラコ。
そこで今回は、料理マンガ研究家としてテレビや雑誌などで活動中の杉村啓さんに女子のための食欲をそそる「グルメマンガ」ベスト5をセレクトしてもらったラコ。

杉村 啓●料理マンガ研究家。醤油が好きすぎてつくったという同人誌『醤油手帖』は「タモリ倶楽部」で紹介されるまでに。来年1月には河出書房新社より「醤油手帖」商業版を出版予定。日本酒の先生でもある。「料理漫画を研究してます」

1位
“全て自腹で、朝ごはん!”
おしゃべりは、朝ごはんのあとで。 (ビッグコミックス)
おしゃべりは、朝ごはんのあとで。 (ビッグコミックス)
  • 著者名:秀良子
  • 発売元 : 小学館
  • 価格:700円

引きこもりの漫画家が自腹でおいしい朝ご飯を食べに行くエッセイマンガ。舞台は東京、名古屋、京都、沖縄といった日本国内だけではなく、パリやハワイにも。料理はどれも美味しそうでお腹が空いてくるし、それに対する反応や行動が面白く、読んでいて飽きません。例えば下北沢「ミクスチャー」のサンドイッチを食べて「外国みたいな味がする!」という、わかったようなわからないようなとぼけ具合。今年一押しのエッセイ漫画です。

2位
実写ドラマにもなった、絶品おとりよせマンガ
おとりよせ王子飯田好実 1 (ゼノンコミックス)
おとりよせ王子飯田好実 1 (ゼノンコミックス)
  • 著者名:高瀬志帆
  • 発売元 : 徳間書店
  • 価格:607円

毎週水曜日のノー残業デーはおとりよせの日――プログラマの飯田好実君の趣味は「おとりよせ」。全国各地の美味しいものを取り寄せ、食べます。これだけのマンガなのですが、実に美味しそうに食べ、「オレオリ(俺のオリジナル)」でアレンジして食べるのです。作中に登場するおとりよせは全て実在するため、読んだらそのままネットで注文可能。一番人気のエピソードは「松阪牛大トロフレーク」で、口に入れたらとろける牛肉が絶品です!

3位
女子だって、ひとり酒するんです
ワカコ酒 1 (ゼノンコミックス)
ワカコ酒 1 (ゼノンコミックス)
  • 著者名:新久千映
  • 発売元 : 徳間書店
  • 価格:607円

酒呑みの舌を持った村崎ワカコ(26)が居酒屋でひとりお酒をたしなむ呑兵衛ショート。淡々と語られるモノローグには過剰なうんちく等はなく、美味しいものを食べたときに思わず口から漏れ出る「ぷしゅーーー」という吐息があるだけ。これが本当に美味しそうで、見ていて同じものを食べたくなります。日本酒と鮭の皮を食べては「ぷしゅーーー」、だし巻きとぬる燗を堪能しながら「ぷしゅーーー」。お酒を飲む人ならこの気持ちきっとわかるはず。

4位
ポルトガル娘の、日本での食いしん坊ライフ
くーねるまるた 1 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
くーねるまるた 1 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
  • 著者名:高尾じんぐ
  • 発売元 : 小学館
  • 価格:596円

マルタさんはポルトガルからの留学生。大学院を卒業後も日本に残り、ビンボーながらも食いしん坊な生活を満喫中。バカリャウ(干し鱈)のようなポルトガルの食材を料理したり、ラーメン屋でチャーシュー麺が高いからと自分で作ったチャーシュー(正確には豚の紅茶煮)をこっそりラーメンに入れようとしたり(マネをしてはいけません)、お金がなくてもいろいろな工夫で、美味しそうな料理を食べているのです。読むとお腹が空き、真似をしたくなること請け合いです。

5位
野菜はにがく、そしてあまい
にがくてあまい(1) (エデンコミックス)
にがくてあまい(1) (エデンコミックス)
  • 著者名:小林ユミヲ
  • 発売元 : マッグガーデン
  • 価格:576円

ベジタリアンのイケメン高校教師(ただしゲイ)片山渚と肉が好きで野菜嫌いなキャリアウーマンの江田マキという、相容れない生き方の2人の同居生活を描くラブコメディ。料理を作るのは渚なので、菜食主義の料理しか出てきません。作中でも料理の作り方や手順が載っていますが、単行本にはもう少し詳細なレシピおまけページがあります。でも若干「だし汁…てきりょう」「ごま油……てきとう」という箇所もあるので、料理に慣れた人向けの部分があります。

【番外編】
3月のライオン』(羽海野チカ/白泉社)
“将棋だけではなく、料理も絶品!”
将棋がテーマの漫画ではあるのですが、実はあかりさんの作る料理がどれもこれも美味しそうでお腹が空いてくるのです。食べる人のためを思って作る料理と、その思いを受けとめて食べる人が合わさって、これだけ美味しそうに見えるのでしょう。単行本8巻のおまけペーパーにはメンチ丼のレシピが公開されていたりしました(作者のTwitterでも公開されました)
俺物語!!』(アルコ:著、河原和音:原著/集英社)
“男の中の男とスイーツの組み合わせ!”
高校生ながら屈強で見るからに漢! といった風貌だけど誰よりもまっすぐで優しいハートの持ち主である剛田猛男と、そんな猛男に痴漢から助けられて一目惚れした大和凜子のカップルと、猛男の幼なじみでイケメンの砂川誠の3人で織りなす物語。この作品にも、ヒロインである大和がスイーツ作りが得意なため、甘いお菓子を中心として料理が出てきます。2巻には「合いのスイーツレシピ集」としてザッハトルテやケーク・サレ、さくら餅やウエディングケーキのレシピが載っています。

【総評】
ここ近年の料理マンガは新連載が次々に誕生したり、次々に実写ドラマ化(ここ1年では6本も)されるなどかなり面白いことになっています。今回は、中でもまだ単行本の巻数がそれほど多くなくて今からでも集めやすく、かつ読むとお腹が空いてくる作品を選んでみました。1位と2位は、それぞれ実在のお店やおとりよせをテーマにしているので、食べたくなったら実際に行ったり注文したりすることができます。3位は酒飲みなら絶対に共感できるはず。4位や5位はそれぞれ調理シーンもあるため、真似をしたくなります。どれもこれも、空腹時に読むと大変危険です!(杉村啓さん)
ほかにもこんな作品が知りたい!というのがあったら @bookrako までよろしくラコ!