ダイエット本戦国時代! その実態を『日経ヘルス』編集長に聞いた

ダイエット

更新日:2013/10/17

 酷暑の後に待っていたのは疲れたカラダ。もりもり本が読めるのも健康であればこそ。本とコミックの情報誌『ダ・ヴィンチ』11月号では、ライター・北尾トロが「健康回復で読書力を取り戻せ!」をスローガンに、ダイエット本の実態を調査。本当に役立つダイエット本を追跡した。

――健康になりたいと思ったとき、活字は我々の味方となってくれるのか。書籍では美容・ダイエット系でヒット作があるが雑誌はどんな状況なのだろう。咄嗟に思い浮かぶのは『わかさ』などの熟年向け健康誌。30~50代が対象となると見当がつかない。

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「ビジネス誌の特集ではよくやってますが、専門誌は目立ちませんね。『ターザン』は人気ですがテイストが違うし、女性をターゲットにしたものが主流と考えられます」

 このジャンルを代表する雑誌は、1998年に創刊された月刊誌『日経ヘルス』だろうと担当編集Kは言う。10万部刷って8.6万部の実売部数はクラスマガジンとして優秀。広告もたくさん入っている。そこで、同誌の藤井省吾編集長に現状を教えてもらうことにした。

「創刊時のキャッチフレーズは“ビジネスマンの健康をデザインする”で、男性をターゲットにした誌面だったんですが、売れ始めたのは99年、女性向きに転換して以降ですね。サプリメント情報やダイエット法などで一般女性誌との差別化を図りました。受けた理由ですか? 男性より女性のほうが、いまの自分と向き合っているのだと思います」(藤井さん)

 うむむ、やはり女性読者が引っ張っているのか。同誌の平均読者年齢は41歳だそうだが、20代から50代以上まで、健康を意識する人すべてがターゲットになっている。とはいえへルシーさは女性誌定番のひとつ。他にも生活情報誌など強力なライバルがひしめく中、どこで差をつけるのか。それは専門誌の信頼性と、手を広げすぎない慎重さにある。メイクに興味を持つ女性が多いからと派手なメイク術に行けばライバル多数の上、健康との関連性が薄れる。

「うちでは、“すっぴんがきれいになる”ことを目指しましょうと提案しています」

 なるほど、それなら食事法からダイエット、肌関連、ヨガまで何でも守備範囲になる。藤井さんによれば、女性は男性より、がんばって結果が出ると輝きを増す傾向が強いと言う。まあ、男はダイエットするにしても本気度がヌルいし、食事にも気を使わない。もちろん、最近は生活習慣病などを気にする層も増えていて、仕事や遊びと密接に結びつけば関心を持つ人も多い。『日経ヘルス』も年に一度は“太らない男の食事術”や“腹を凹ます!”など、テーマを絞り込んだ別冊を出し、よく売れているそうだ。

「ネットの時代になって、探せば何でも見つかる代わりに、どれが本当にいいのか選びにくくなっています。カラダ関連の情報は、それじゃ怖い。だから逆に、専門誌がセレクトし、当然お金もかけて取材した、クオリティの高い情報が評価されているんじゃないでしょうか」

 この意見を受け、トロイカ隊は各自「これぞ」と思った参考書をチョイス。それぞれ、禁煙、血圧コントロール、血糖値改善、ダイエットに挑むことに。意志の弱さをカバーすべく、LINEでの協力体制も構築しての15日間。果たして結果は出せるのか!?

取材・文=北尾トロ
(『ダ・ヴィンチ』11月号「走れ!トロイカ学習帖」より)