「毎日」よりも効果的! 最新ダイエット法「週2日の“ゆる断食”」とは

ダイエット

公開日:2013/10/19

 今、世界で注目を集めているダイエット方法がある。それが“ゆる断食”だ。実際に、ゆる断食の実験過程を詳しく記録して紹介したテレビ番組は、ロンドン五輪開催中にもかかわらず、なんと250万人もの人々が視聴していたという。その後もYouTubeやTwitterで話題になり、ロンドンタイムズや世界中の新聞で記事になるほど。そこで、『週2日ゆる断食ダイエット』(マイケル・モズリー博士、ミミ・スペンサー/幻冬舎)から、その断食法を紹介してみよう。

 まず、断食とは言ってもこのゆる断食では何も食べてはいけないというわけではない。1日の摂取カロリーを通常の4分の1。女性なら500キロカロリー、男性なら600キロカロリーに抑える。しかも、それを週2日行うだけ。たったこれだけで、健康的に痩せることができるというのだ。禁止される食べ物は一切ないので、食事日にはケーキや脂っこいものを食べてもかまわない。ただし、食べられなかった分を取り戻したり、溜め込もうと詰め込むように食べるのはダメ。

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 はじめは、食事の回数を朝と夜の2回に分けるといいそう。マイケルは、朝食を抜くと昼になる前からお腹がすいていらつきやすくなった。彼の場合は、だいたい朝7時半に家族と一緒に朝食をとり、夜7時半に夕食をとるようにしているそうだが、朝すぐ食べなくても平気な人は、朝食を遅い時間にずらしてもいいそう。また、ある女性は午前11時に朝食をとって夜7時に夕食をとることで、16時間の断食をしていた。さらに、もし誰かの結婚式や誕生日パーティー、歓迎会や送別会があるなら、その日は断食をやめるといったように、生活スタイルや予定によって臨機応変にかえられるところも“ゆる断食”のメリットなのだ。

 また、断食日は時間だけでなく何を食べるかも大切。特に「良質なタンパク質」を取ることが大事だという。断食日だからと言って、脂肪分を一切とらないのはむしろよくないので、料理するときにオリーブオイルを少し使うとか、サラダにオイルドレッシングを使う。ナッツや豚肉を取るようにすると、野菜に含まれる脂溶性ビタミン類を吸収しやすくするのだ。そして、それらと血糖値を急激に上昇させない低GI値のものを食べるように心がけることで、空腹感を食い止めながらダイエットできる。10週間も続ければ、「だいたい5キロは脂肪が減っている」というから、無理なく痩せることができそう。

 それに、この“ゆる断食”はたった2日の断食だけで毎日の食事制限に匹敵するほどの効果が得られる。ある研究では、毎日カロリー制限をしたグループが3ヵ月後に平均2.4キロ減量したのに対し、週2日は普通の食事をし、残りの2日は炭水化物が少ない食事で1日650キロカロリーに抑えたほうは平均4キロ減量できた。それだけでなく、この“ゆる断食”をすれば健康面においても様々なメリットが得られる。ある実験では、断食したラットが通常のラットよりも長生きし、しかも断食する頻度が多いほど寿命も延びたという。また、断食はがんのリスクを低下させることが分かっているし、修復遺伝子を活性化させたり、認知能力の向上にも影響を与える。

 ダイエットは、続けなければ意味がない。断食=辛いと思っていた人も、この“ゆる断食”なら続けられる気がしてきたのでは?

文=小里樹