断捨離、片付けの次は? いま禅の本がブーム

生活

公開日:2013/10/22

 最近、禅の本が書店の店頭をにぎわせている。ビジネスマンを中心に幅広い年齢層に広がり始めており、「断捨離」本、「片付け」本につづくブームになりそうだ。

 禅といえば、一般的には警策(という棒)で「喝!」をいれられる「座禅」をイメージするが、いったい「禅」の何が人気なのだろうか?

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 30万部超えのベストセラーとなった『考えない練習』(小池龍之介/小学館)では、日常的なイライラや不安を、禅をベースにした簡単なコツを身につけて実践的に解消する方法を教えている。

 世の中の変化のスピードが早くなっている中、変わらない自分を持つことはなかなか難しいもの。「片付け」で身の周りを整理し、「断捨離」でさらにモノをなくしていっても、次から次へとあふれる情報や刺激に振り回され、不安定な気持ちになってしまう。

 「自分自身を失わず、あせらず安定した心でいたい」そんな現代人の気持ちにズバリ応えてくれるのが「禅」なのだ。

 興味を持ったら、まずは体験座禅に参加するのはどうだろう。

 例えば宿坊研究会というサイトには、初心者でも座禅が体験できるお寺が全国200カ所以上も紹介されており、無料体験のところも多数ある。参加する場合は「近所の檀家さんのための会にお邪魔させてもらう」ことを忘れず、礼儀正しい対応が必要だろう。

 もっと簡単に禅の世界を知りたい人には、『書いて体得する禅 すっきり爽やかな心をつくる』(枡野 俊明/メディアファクトリー)という本がおすすめだ。

 禅の修行のひとつに「書」があり、禅の教えを表す「禅語」を本に従って書いていくだけで気持ちがすっきりしていくというものだ。

 著者の枡野俊明氏は、横浜の建功寺の住職を務める傍ら、NHKで禅の解説や海外での講演で、禅の教えを多くの人に広めてきた人物。初心者にもわかりやすく禅の教えが解説されている。

 「日日是好日(にちにちこれこうにち、どんな一日もあなただけのかけがえのない毎日の意)」など禅の言葉を書いていくうちに、なぜだか心が落ち着いてくる。禅に興味をもったら、まずは「本で禅体験」してみてはいかがだろうか。