くまモンもびっくり!? リアルなクマキャラがすごい!

マンガ

更新日:2013/12/2

 “赤いほっぺ”紛失騒動など、くまモンが相変わらずメディアをにぎわせているが、プーさんをはじめ、リラックマやスージー・ズー、ケアベアなど、今も昔もくまのキャラクターは人気が高い。でもそれは、あくまでぬいぐるみやマスコットとしてかわいらしくデフォルメされた姿だった。しかし、最近ではそのくまキャラがリアル化しているようなのだ。アニメ化もされた『しろくまカフェ』(ヒガアロハ/小学館)のシロクマくんも人気だったが、10月23日に発売された『くまみこ』(吉元ますめ/メディアファクトリー)にも、個性的でリアルなヒグマのナツが登場する。

 東北地方のとある山奥で中学生の巫女・まちと暮らすナツは、鋭い爪と牙を持ち、一見すると強面キャラに見える。でも、実はとっても優しいのだ。幼い頃、まちが「ナツ!やだあ! 冬眠しちゃやだぁ……」と泣いたので冬眠をやめちゃうし、生クリームが苦手なのにまちのために頑張ってケーキを食べてあげたりする。あぐらをかいた膝の上にまちをのせて釣りをしたりもするし、まちの枕がわりになって一緒にお昼寝することも。

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 また、ナツはとても賢いので、文字の読み書きできるし人間の言葉も話せる。子どもたちにジュースを出したり、釣りをしたり、まちと一緒に神楽を舞うこともできるのだ。それに、都会の学校に行きたいというまちのために、一般常識を教えてあげたり、宿題を出したりもする。「えきのじどうかいさつ何を使うととおれる?」「①Suica ②りんご ③バナナ」という問題でSuicaをスイカだと思い込んでいたり「OIOI」が読めなかったまち。「ユニクロでヒートテックを買ってくる」という宿題に対しても、ユニクロはホームセンターでヒートテックは暖房器具だと思っていたほど。ナツがSuicaやヒートテックを知っていることも驚きだが、たしかにこんな状態のまちを都会に行かせたくないと思うのは、ある意味当然かもしれない。

 しかし、ナツはただ面倒見のいい後見人の立場というわけでもない。まちが都会に行くのを反対していたのは、もちろん心配だからということもあるが、自分が寂しかったからでもある。どうしても都会行きを認めないナツとまちがケンカしたときは、「クマに決定権握られてやんのばーか!」と子どもっぽい言い合いをし、「いたい! ばあか! まちのばあか!」「鼻はやめてよぉ」と殴り合いのけんかをする。彼は、小さい頃からずっと一緒に育ってきたからまちのことが大好きで、彼女がいなくなると思うと「で でもいやだ うわ~~ん」「まちが遊んでくれなくなるよぉ 悲しいよぉ」と号泣。そして、昔のアルバムを見たりまちの小さい頃を思い返しては1人空想にふけるのだ。

 今までのくまキャラはマスコット的でもふもふかわいいだけだったが、こんなに優しくて、賢くて、なんでもできるくまがいたら、頼りになるし安心できる。マスコット的なくまキャラもかわいいけど、大きな図体に似合わず、寂しがり屋で過保護なリアルくまキャラに癒されてみるのもいいかもしれない。

文=小里樹