「部分やせにも効く!」とウワサの、女医が教える大人のラジオ体操

ダイエット

公開日:2013/11/18

 「あのラジオ体操が、こんなにスゴイものだったとは!」「翌日、筋肉痛になってしまった!」と、ちまたで静かに大きく反響を呼んでいる“大人のラジオ体操”。

 このウワサの『DVD付き 実はスゴイ! 大人のラジオ体操』(中村格子/講談社)は、昨年春に発売。ラジオ体操は計算し尽くされた全身運動であり、ポイントをふまえて正しく行えば小尻&美脚効果が期待できると解説され、その効果のほどが話題になった。しかし発売後、「ラジオ体操第1だけでなく、第2も収録してほしかった」というリクエストが多数寄せられたため、それに応える形で第2弾の『DVD付き もっとスゴイ! 大人のラジオ体操 決定版』(中村格子/講談社)が登場したのだ。

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 まずはラジオ体操の流れやポイントをおさらいするため、本書を流し読んでみる。すると、冒頭で日本の体操の歴史がひもとかれて、実は意外にも、ラジオ体操はそれなりの由緒あるエクササイズであったことが判明する。ちなみに現在の形のラジオ体操が始まったのは昭和26年、「いつでも、どこでも、誰でもできる」の精神のもと、国民の健康増進のために文部省関係者が制定。さらにラジオ体操第2は昭和27年、職場で働く人々を対象につくられたとのこと。

 さらに本書によれば、ラジオ体操第1のテーマは「姿勢と呼吸」。日本人が陥りがちな姿勢の悪さを改善、疲労回復や美容効果も発揮するよう、練りに練って構成された。一方、ラジオ体操第2のテーマは「強さとしなやかさ」。疲労回復や能率増進をはかる動きが含まれているため、アクティブで疲れにくい体に導いてくれるのだ。

 それぞれきちんと行えば、全身の約400種類の筋肉をまんべんなく鍛えることができ、さらにねじり系の運動など、体幹のコア筋肉を刺激する動きが内臓の働きを促進、便秘解消やボディラインが整うなど、うれしいメリットが期待できる。ただし、自己流では決して効果が上がらないため、動きの目的やポイントを確認し、使う筋肉を意識してテキパキと行わなければならない。決して、ダランダラン、ブランブランと、緊張感なく無意味に動かしてはならないのである。

 注意点をざっくり把握したら、いざDVDをセット。動画は、大人のラジオ体操に指導音声が付くバージョンと、体操を動作ごとにポイント解説したもの、指導音声なしの3パターンがあり、ラジオ体操第1と第2のほか、「2つの呼吸法」や「大人のストレッチ」なども収録されている。解説&実演してくれるのは著者であり、整形外科医かつスポーツドクターの中村格子先生。2級ラジオ体操指導士でもある先生の、47歳とは思えないほど若々しいメリハリボディに一瞬おっ! と驚き、「よし、やるぞ」と無意識のうちにこちらのモチベーションもUP。

 まずは、ラジオ体操に指導音声が付くパターンで、ラジオ体操の第1と第2を通しでトライしてみた。

 中村先生の動きをよく見ながら指導音声を聞き、腕を回したり、真剣に伸び上がってみる。これまで十二分に知っているはずのラジオ体操第1なのに、いざ実際にやってみると、その意識すべきポイントの多くを間違え、うろ覚えしていたことが発覚。のっけの“伸びの運動”は「かかとを上げず」、“腕を回す運動”の際にも「かかとを上げない」(筆者は逆を行っていた)。しかし“腕を振って脚を曲げ伸ばす運動”では「かかとを上げたままキープ」し(この運動で小尻と美脚効果を実現!)、“体を斜め下に曲げ胸を反らす運動”では、上体は「正面に起こす」(間違って斜めに起こしていた)。などなど。“体をねじる運動”では、下半身を動かさないようにすることでウエストシェイプが期待できるそうなので、こちらも注意したい部分やせポイントである。

 

 ちなみに筆者は月に1~2度はヨガに通っているのに、大人のラジオ体操中、体のあちこちからボキボキっと、にぶい音がした。デスクワークでこり固まった体を、ゆるめてメンテするような感覚だ。続いてラジオ体操第2を、第1同様「カンチガイの嵐」を正しながら行ってゆく。“体を横に曲げる運動”では、わきの下をよく伸ばしてハミ肉を撃退!“片脚跳びとかけ足・足踏み運動”では、腸腰筋を刺激してぽっこりお腹を解消! “体を倒す運動”で背筋力をアップ&若返りを目指す! 気合いたっぷりな計6分間のエクササイズが終了したら、全身に血が巡り出し、なにかとても壮快な気分である。これはイイかも。

調子が出てきたのでインターバルをおいてから、「2つの呼吸法」編で、“寝て行う腹式呼吸”と“立って行う胸式呼吸“にトライする。腹式呼吸では「お腹の深部の腹横筋」を鍛え、胸式呼吸では「腹横筋と横隔膜」にさらに強い刺激を与えてゆく。これを毎日続けたら、密かにゆるんだぷよ腹もきっと締まってくれるに違いない。

 しなやかで美しい体をつくる「大人のストレッチ」編では、足や肩まわりなど、7種のストレッチを収録。足指を動かして血巡りアップをはかる「足指じゃんけん」や、こり固まった足首を柔軟にする「足首回し」、縮んだ首を伸ばして肩こりを改善する「首のストレッチ」などは、就寝前の習慣にしたら、眠りが深くなりそうだ。

 ちなみに、中村格子先生は11月13日号の『an・an』(マガジンハウス)にて、ラジオ体操第1と合わせて行うと脂肪燃焼効果が高まる、“胸式呼吸”の方法を紹介している(胸式呼吸は本書にも掲載)。大人のラジオ体操は、短時間で手軽にできる効率のよい全身運動なので、ジムに通う時間のない多忙なサラリーマンや皇居ランが望めない残業女子には、起床後や仕事のすきま時間にトライすることをおすすめしたい。年末のイベントまでに、ゆるんだボディがキュッと締まるかもしれない。

文=タニハタマユミ