忘年会はこれで乗り切れ! メンドウな話を右から左にスルーする技術

人間関係

公開日:2013/12/12

 いよいよ年末シーズン。お酒を飲む機会や美味しいものを食べる機会が増えて嬉しい半面、さして話したくもないひとに話しかけられたり、からまれたりして、憂鬱な気分になることも少なくないのでは?

 普段の飲み会はやんわり断ることができても、忘新年会に限ってはそれができない(うぅ、つらい)。予行練習も兼ね、思いつく限りの「隣りに座って失敗したと思う会社飲みキャラ」を列挙することにしてみよう。

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・延々自分の武勇伝を話し続ける上司
・同じ話を毎回聞かせる上司
・愚痴か人の悪口しか言わない同僚
・不倫恋愛の悩みを唐突に吐き出し、ダラダラと話が止まらない後輩

 こうして並べただけで、なんだかウンザリ。いちいち気にするからストレスがたまるのであって、どうにかうまく交わす技術を身につける方法はないだろうか? 『スルーする技術』(トキオ・ナレッジ/宝島社)を参考に検証してみよう。

 まず、全部に対応できそうなのが“携帯電話でスルー”作戦だ。近頃は「偽電話」や「フェイク・コール」などと言った「電話がかかってきたふうを装うためのスマートフォンアプリ」が開発されていて、あらかじめ設定しておいた時間に電話をかけてくれる。「あ、ちょっと仕事の電話がかかってきてしまったみたいで…」としばらく立席して、戻ってくる際にドヤ顔で別の席に移動してしまう。これで一件落着。まさに「NO」と言えない日本人のための救世主となり得るスルー術だ。

 また、武勇伝を話し続ける上司に対しては、“壮大な長話は質問でスルー”作戦に尽きる。年配上司のヨモヤマ話につきものなのが死語の多用。「すみません、“ガチョーン”ってどういう意味ですか?」などと、カマトトぶりながら聞きなれない単語を拾って質問を。相手の気分を害することなく、上手に話の腰を折ることができる。ただし、「いいから黙って話を聞け!」などという頑固親父タイプに使ってしまうと、余計に面倒くさいことになりかねないので相手選びには細心の注意を。

 悪気なしに同じ話を何度もしてしまうリフレイン系上司には、あえての微笑スルーが有効的。何も話さず、微笑み続けることで、「こんな俺のつまらない話を黙って聞いてくれるこいつはいい奴」という印象を相手に残すのである。上司がこんなに饒舌なのは、家に帰ったところで誰からも相手にされていないからなのだな、と思えば自然と慈愛も沸いてくるもの。これぞ究極の“慈愛系スルー”だ。

 愚痴や不満をだらだら述べて、空気を乱すタイプには、“失態スルー”がおすすめ。「ったく、部長って使えねえよな。お前もそう思うだろう」と課長に振られたら、「そうですねぇ…あっ、大事なメールを打ち忘れていました!」と叫び、自分をだめな奴とあえて落とすことで、第三者への悪口の効力を薄める。もともと課長が部長の悪口を言いたがるのは「人より優秀でありたい」という欲望を満たしたいから。自分が道化になりきることで課長の欲望は満たされ、悪口交戦の回避が可能となる。悪口を言い合うことで生まれる連帯感など百害あって一利なしとわきまえよう。

 最後に、やっかいな恋愛相談には“肉食系スルー”を。「なんなら、俺と付き合っちゃう?」「試しに私と寝てみる?」と、相手に相談するヒマを与えないくらい、高慢ちき&ゲスっぽくアプローチするのが鍵。自分が相手の恋愛対象外の人間なら、一挙に解決。そのままゆきずりの関係を結んでしまい、うっかりカップルにならないようご注意あれ。

文=山葵夕子