年末年始はひとりで海外旅行もあり? 眞鍋かをりがすすめる「スマホ旅行」

芸能

公開日:2013/12/14

 18歳のとき、大学進学で愛媛から夜行バスに乗って単身上京し、吉野家から出てきたところをスカウトされ、その後、グラビアアイドル、タレント、ブログの女王としてトップを駆け抜けてきた眞鍋かをり氏。華やかな世界で待ち受けていたのは想像を絶する多忙の日々や、信頼していた人々からの裏切りの数々…。心身を崩すことも一度や二度ではなかった生き方を、30歳で一旦すべてをリセットすることを決意。そして「数年ぶりに電車に乗ろうとしたときには券売機の前で立ち往生してしまうありさま」だった彼女が、海外をひとり旅するという大冒険を決行したのだった。

 マネージャーもカメラマンも連れて行かず、ガチでひとり旅した記録が楽しく軽妙に綴られているのが、眞鍋かをり著『世界をひとりで歩いてみた 女30にして旅に目覚める』(祥伝社)である。本書の特徴は、旅先でのエピソードだけでなく、実際にひとり旅をする際に役立つ情報が満載だということ。ひとり旅の素晴らしさや感動を読者にも実際に味わってもらいたい、という想いが伝わってくる。

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 不安でいっぱいだった彼女のひとり旅を支えたのは、iPhoneだ。Googleマップで目的地まで辿り着いたり、観光地の情報をサクサクと調べることもできて便利だという。また、アプリも積極的に活用しているという。

■『為替計算アプリ
「ドルやウォンなら頭のなかで計算できるけど、ベトナムドンとなると、暗算はちょっと難しい!」。アプリを使えば、その日のレートで一発変換してくれるのだ。

■『ガイドアプリ
「現地でガイドブックを持ち歩くのは、いかにも“私、観光客です!”というオーラが出てしまって超危険」なので、iPhoneでさり気なくチェックするとよい。

■『RoadMovies』などの動画アプリ
「いい感じのBGMもつけられて、簡単なのに超本格的!」と言わしめるほど、旅の記録に適したアプリとのこと。

 iPhoneなどスマホを活用すれば、ひとりでも何かと安心だという。とはいえ、特に女性にとって、治安が気になるところ。彼女もいくつかの危険な目にあってきたという。中でも、トルコは親日だと言われており油断して歩いていたところ、日本語の上手な若社長からチャイを薦められて店内に入ったが、どうも雲行きがおかしい。「今夜、大切な友達のパーティがあるんだけど、ぜひ君に来てほしいんだ。僕のガールフレンドだといって紹介したい」と突拍子もないことを言われ「そんなのにホイホイついて行ったら何されるかわかったもんじゃない!」と店を出ようとするも、なんと逆ギレをされ、腕までつかまれてしまう。なんとか店の外に脱出し、人の多い街中まで駆けて行ったという。あらためて「トルコ ナンパ」などで検索してみると、同様の被害を受けた旅行者たちのブログなどの書き込みが大量に出てきて驚いたそうだ。さらに、外務省のホームページを見ると、性犯罪被害に関する注意喚起が記されており、その手口は彼女が実際にあった状況そのもの。やはり、事前に情報を得ておくことは大切なのである。

 こうした経験を経て、対策もとるようになっていく。例えばしつこいナンパをきっぱりと断る防御アイテムには、100円ぐらいの金メッキの指輪を購入。「左手薬指を見せて“Married! Married!”(結婚してます)としつこく言い続ければ諦めてくれることが多い」。また、英語で断ってもしつこくつきまとう客引きには「歩いて観光しようじゃけんタクシーやか乗らんよ!」と、方言を早口で強めにまくし立てると退散してくれるという。方言がない人の場合はニセ関西弁でもよいと、アドバイスは続く。

 危険な目に遭ったドキドキする描写だけでなく、それ以上に楽しいエピソードも豊富に語られている本書。「ひとり旅の魅力に取りつかれたのは“できなかったことができた瞬間”が本当に嬉しかったから」と綴る彼女の文章には、ワクワクした気持ちにあふれている。格安航空会社が成田空港に乗り入れを開始したりと、海外旅行はさらに身近なものとなった。年末年始は自己責任で、大冒険に挑んでみるのもよいかも。

文=八幡啓司