話題の「秒速で1億円を稼ぐ男」与沢翼って何者?

ビジネス

公開日:2013/12/20

「秒速で1億円を稼ぐ男」として話題のIT実業家・与沢翼。弱冠30歳で年収12億円、ロールスロイスやフェラーリといった高級車を乗り回し、腕時計3本1150万円をキャッシュで購入するなどの派手な私生活は、『サンデージャポン』『ダウンタウンDX』といったテレビ番組でも紹介されたほど。最近では傷害容疑で書類送検されたことがニュースになったりと、良くも悪くも注目の人物であるようだ。

 そんな与沢の半生記が、一冊の本になった。タイトルはズバリ『マンガ与沢翼物語 平成の肉食主義』(インフォレスト)。表紙には「暴走、逮捕、起業、倒産…」「死ぬこと以外はリスクじゃない!!!」「ヤバすぎるネオヒルズ族」と刺激的な言葉が踊るが、この本から、なぜ与沢が秒速で1億円も稼げるようになったのか、これまでの人生を紹介しよう。

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 物心がついたときから「自分が他人とは少し違う子供だと思っていた」という与沢。幼少期には「雲に乗った私がスーパーコンピューターを使って保育園を支配」する夢を見ていたというから、現在のヤバさはここから始まっていたのかもしれない。金に覚醒したのも、父がアメリカ転勤になった際に祖父の旅館に預けられたとき。旅館の手伝いに精を出し、小学生では手にできないような小遣いを与えられていたらしい。最新のゲームソフトやプラモデルを所持していた小学生与沢は、当然学校でも人気者に。しかし、小学低学年にして「どこかに見たことのないもの 見たことない場所ってないのかな」などと頂点を極めたロッカーのように夢見る彼は、次第に教室で浮いた存在になっていく。さらに小学6年になった頃には、給食のあとかたづけを押しつけられても「人に仕事頼むならカネを払えよ」と言い放つまでの人物に成長。『銭ゲバ』の名言「世の中、銭ズラ」を地で行く展開だ。

 そんな与沢がビジネスに目覚めたのは、中学時代。「いっぱしの不良になっていた」という彼が目をつけたのが、服のリサイクル。仲間からいらなくなった服を集め、福袋にして学校で売りさばいたのだ。この売上げを元手にして、「原宿のパチモノショップ」などで買い付けた服をセット販売し、「安定して月に30万円」は稼いでいたという。

 しかし、半生記はここから怒濤の展開に突入。まず、入学から3日で高校を中退し、補導されて入れられた少年鑑別所で読んだ本がきっかけで更正と弁護士になることを決意。アルバイトで稼ぎながら中学時代に身につけた転売スキルをバイクに応用して中古車販売に勤しむように。さらに大学受験を決め、「受験した大学10校すべて合格」を果たし、20歳で早稲田大学に入学。そして、在学中に経済産業庁後援の起業支援サイト「ドリームサイト」で最優秀3名の一人に選ばれ、起業家を志すように──と、もうここまででお腹いっぱいだ。

 この後はテレビや書籍などでもよく語られているように、ギャル男系メンズファッションのECサイトをオープンするものの、リアル店舗の失敗で倒産。だが、「昔から実践してきた俺だけのビジネス哲学」であるセミナー資料を元に、今度はアフィリエイトで稼ぐことに。ついにはわずか半年ほどで7億円、月収1億円を成し遂げたのだという。

 このマンガ、表紙には「個人事業主や会社員、起業願望の強い人々に贈る」とあるが、誰でも真似できるような半生では到底ない。ちなみに現在の与沢は、丸顔につぶらな目という二重になったパタリロのような愛嬌ある顔立ちだが、巻末に掲載された過去の写真を見ると、中学時代は山下智久を彷彿とさせるギャル男系イケメン。写真の上には親切にも「え? 痩せてる!」とわざわざコピーが付けられているほどだ。本書でいちばん驚かされるのは、その波瀾万丈の人生よりもこの事実のほうかもしれない!?