求められるはやはりコミュ力!? 2013年、もっとも読まれたビジネス本

ビジネス

公開日:2013/12/20

 2013年もっともおもしろかった本を発表する雑誌『ダ・ヴィンチ』主催の「BOOK OF THE YEAR」。発売中の1月号では、ダ・ヴィンチ読者、書店員、文筆家など本好き4619名によるアンケートをもとに、ジャンルごとにランキングを発表している。

 ビジネス・自己啓発本部門では、ある特徴が目立つ結果となった。

advertisement

 コトバの技術で人の心を動かす『伝え方が9割』、おもてなしの心を学ぶ4、5位のディズニーランド本。このジャンルで人気を集めたのは、対人スキルを向上させる自己啓発書。コミュニケーション能力という捉えどころのないスキルが、いかに重要視されているか痛感させられる。1位の『伝え方が9割』は、読んですぐに実践できる即効性が人気の一因。「ノー」を「イエス」に変える7つの切り口はいずれもわかりやすく、汎用性も非常に高い。アンケートでも「参考になった」との声が多数寄せられていた。

 2位には、200万部の売り上げを突破した『夢をかなえるゾウ』の続編がランクイン。売れないお笑い芸人の元にとぼけた神様ガネーシャが降臨し、「好きなことをして生活するには」というお金と人生の命題に助言を与える。小説仕立てで軽く読める点が高く評価された。

 トップ10に、『日本の選択 あなたはどちらを選びますか?──先送りできない日本2』(3位)、『池上彰の学べるニュース(7)』(9位)と、池上彰の著書が2冊入っている点も見逃せない。消費税増税やTPPなど、我々の生活に直結する問題が迫り、国民の関心も高まる一方。わかりやすさに定評のある池上解説が求められるのもうなずける。先行き不安な世の中を先導する、灯火のような役割と言えるだろう。

【「BOOK OF THE YEAR 2013」ビジネス・自己啓発書部門】
1位 『伝え方が9割』 佐々木圭一 ダイヤモンド社 1470円
2位 『夢をかなえるゾウ2 ガネーシャと貧乏神』 水野敬也 飛鳥新社 1575円
3位 『日本の選択 あなたはどちらを選びますか?──先送りできない日本2』 池上 彰 角川oneテーマ21 820円
4位 『ディズニー ありがとうの神様が教えてくれたこと』 鎌田 洋 SB クリエイティブ 1155円
5位 『ディズニーランドであった心温まる物語』 香取貴信/監修 東京ディズニーランド 卒業生有志/著 あさ出版 1365円

 同誌では10位までのランキングを掲載するほか、濃い口少数意見として読者おすすめのビジネス・自己啓発書も紹介している。

構成・文=野本由起/ダ・ヴィンチ1月号「ブック・オブ・ザ・イヤー2013」特集