福士蒼汰「言葉が胸に刺さる、何度も読み返したいほど大切な1冊」

芸能

公開日:2013/12/30

雑誌『ダ・ヴィンチ』が主催する毎年恒例の本好きたちの総決算「BOOK OF THE YEAR」大特集。発売中の1月号では、ダ・ヴィンチ読者、書店員、文筆家など、本好き4619名の声をもとに2013年を彩った本を発表。あらゆるジャンルのランキングのほか、今年ブレイクした芸能人に今年印象に残った本のインタビューを行っている。

 2013年にブレイクした俳優、その筆頭にあげられるのが福士蒼汰だろう。183センチの長身と甘いマスクを持つ <正統派王子様> は、ドラマや映画に相次いで出演。まさに“今年の顔”といえる活躍だった。その人気と存在感を決定付けたのが、国民的ドラマの『あまちゃん』。主人公・天野アキ(能年玲奈)が憧れる初恋の先輩・種市浩一を演じる福士のイケメンぶりに、朝から胸キュン状態になった人も多いはずだ。

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「2013年は、作品に恵まれ、たくさんの良い経験をさせてもらった一年でした。なかでも、自分の実力、良さ、悪さを実感できた『あまちゃん』への出演は、とても大きいです。『種市先輩!』と、よく声をかけられるようにもなりました(笑)」。

「趣味は、台本を読み込むこと」という福士。ストイックに俳優業に向き合う彼がオススメする一冊は、有川浩の『図書館戦争』。福士自身も実写映画に出演した、人気エンターテインメント小説だ。

「すらすらと読み進んでいって、気づくと読み終えていました。自分が演じたということとは関係なしに、純粋に面白くって。キャラクター一人一人に好感が持てますし、人間味あるセリフ回しが好きです。各キャラクターの恋愛模様が描かれているので、アクション以外の部分も楽しめますし。俳優という“演じる側”から見て、キャラクターに強い個性があるので、『それぞれを演じてみたい』と感じる登場人物たちだなと思います」

 物語の舞台は、2019年の日本。メディアの表現を取り締まる『メディア良化法』が施行され、市民は自由に本を読むことができない。厳しい検閲が行われるなか、「図書館の自由」と本を守るために、メディア良化委員会と抗争を繰り広げる <図書特殊部隊>。そのエリート部隊に配属された女性隊員・笠原郁や教官の堂上篤ら <図書隊員> たちの戦い、恋、成長を描く。同作の実写映画で、福士はクールな超エリート図書隊員・手塚光を演じた。

「この本で特に心に残った言葉は、堂上教官の『正論は正しい、だが正論を武器にする奴は正しくない』というセリフです。映画で自分が演じた手塚に向けて言われる言葉でもあって、堂上教官役の岡田准一さんに実際に言われて、すごく胸に刺さりました。この一冊は、何度も読み返したいほど、自分にとって大切な本です。これから、読む時どきで、自分の感じ方も変わるんじゃないかなと思っています」

 2011年1月に俳優デビューし、同年9月に『仮面ライダーフォーゼ』で初主演。それから約3年間、疾走し続けてきた福士にとって、2014年はさらなる飛躍の年になるだろう。

「2014年は、役者としての成長につなげられるように、いろんな知識や技術を身につけていきたいと思っています。あせらず、超特急で駆け巡りたいです。そして、その列車にみなさんを乗せていきたいと思います!」

構成・取材・文=あつしな・るせ/ダ・ヴィンチ1月号「ブック・オブ・ザ・イヤー2013」特集