書店員オススメ! 大人のための官能小説

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/22

毎日膨大な量の本に接し、本の知識なら誰にも負けない“本のソムリエ”としてとっても頼りになる書店員さん。今回は、書店員歴21年、書泉ブックマートで文庫・新書を担当する江連聡美さんに“大人のための官能小説”5冊をセレクトしてもらった。

■『裸婦の中の裸婦』 澁澤龍彥、巖谷國士 河出文庫 819円
クラナッハは、この作品より教わりました。また、ルーブル美術館に行った際には「受胎告知」をまず探しました。いろいろな裸婦画から各々のエロスを読み解き、絵画を身近なものにしてくれます。

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■『誰にも出来る殺人/棺の中の悦楽 山田風太郎ベストコレクション』 山田風太郎 角川文庫 820円
「忍法帖」イメージの風太郎氏ですが、いかに氏が乱歩氏に優るとも劣らない世界を描きだしているか感嘆します! 『赤と黒』のジュリアン・ソレルにも似た主人公に、作中の女性ともども溺れました。

■『谷崎潤一郎 フェティシズム小説集』 谷崎潤一郎 集英社文庫 504円
中学生の頃、初めて知った谷崎潤一郎氏の禁断のエロスに、密かに興奮した方も多いのでは? この作品は、まさに谷崎氏の嗜好を集めたもの。自分や相手の「気持ちよい」を再確認、開発してみては!?

■『闇への供物』(全5巻) 千草忠夫 ベストセラーズ文庫 970 ~ 980円
むせかえるほどの昭和のにほひに圧倒されます! 「そんな世界が大好物!」なんて方には、ぜひオススメしたい作品です。鬼才と言われた千草先生に触れ、昭和エロスにどっぷりと浸かってください。

■『甘い鞭』 大石 圭 角川ホラー文庫 740円
壇蜜主演映画化! の甘い蜜に引き寄せられ、「どれだけイヤらしいの!?」と読み進めると、主人公の衝撃的な過去が、眼前に映像で浮かび上がるような感じでした。またラストでは、悲哀さえ漂います。

ダ・ヴィンチ2月号「本のソムリエ」