モルモットの丸焼き、濃厚なアプリコットジュース…現地で食べたいへき地メシ!

食・料理

公開日:2014/1/20

 海外旅行の楽しみといえば、有名な観光地を巡ったり、日本とは違った風景、雰囲気を味わうことももちろんだが、なんといっても一番大きいのがその土地ならではの食事。そんな食事にスポットを当てたトラベルエッセイ『へき地メシ 世界の果てまでイッテ食う!』(山田雨月/ぶんか社)が12月24日に発売された。バックパックを背負って世界中をまわった作者・山田雨月の紹介するへき地メシには、どんなものがあるのだろう。

 まず、マチュピチュやナスカの地上絵で有名なペルーでは、日本でなかなか食べられない肉を食べることができる。それが、クイの丸焼きだ。この“クイ”は日本でいうモルモットのことで、ペルーではめでたいときに食べられるのだが、食用に家で飼育しているところもあるらしい。丸焼きには爪まできちんとついているようなので、一口目はちょっと勇気がいるかもしれないが、味は鶏肉みたいで美味しいよう。ペルーに行った際は、旅の記念にチャレンジしてみるといいのでは?

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 また、作者がデリー空港であった人に聞いた「世界一まずい」と噂のごはんが食べられるのは、インドにあるシク教徒の聖地・アムリトサル。メニューはごはん、野菜カレー、チャパティ、おつけもの、米とミルクのスウィーツにお水というものだが、なんと全て無料で食べられるのだ。しかも、おかわり自由。そもそも、シク教徒はカースト制度がなく、職業が自由で裕福な人が多いので、その富を巡礼者に還元したり、異教徒にも分けてくれているそう。肝心のお味のほうだが、作者曰く「全然食べれる」らしい。むしろ「ただと思えばおいしい」くらい。ちなみに、無料で3泊まですることもできる。出るときに寄付は求められるが、お金に困ったときは駆け込んでみるといいかも。

 そして、パキスタンでは夕食を宿でとることが多く、基本的にはザブジと呼ばれる野菜を蒸し煮、炒め煮したものやダールと呼ばれる豆カレー、ウォールナッツを使ったサラダにパン、ケーキなど、野菜を多く使った料理が出てくる。宿によっては、ベジタブルとノンベジの日が交互にあったりするようだが、カラッシュという地方では冷蔵庫が普及していないため、肉が食べたいときは「現物で」ということになっているらしい。作者の宿泊中には、フランス人の宿泊客が子羊を買ってきたので、さばいて焼いてバーベキューをしたそう。やはり、新鮮だし久しぶりの肉ということもあってか普段より美味しく感じたようだが、目の前でさばかれるので一歩間違えばトラウマで二度と食べられなくなりそうだ。

 観光地を巡るだけでなく、日本でなかなか食べることのできない“へき地メシ”を食べるために旅に出てみるのもいいかもしれない。

文=小里樹