努力と友情で“痔”に勝利!? 高校生が痔と闘う異色すぎる青春マンガが登場

マンガ

公開日:2014/1/20

 痔といえば、おじさんの病気というイメージが強いが、実は痔の患者は女性の方が多く、なかには赤ちゃんの頃から痔になってしまう人もいるのだ。そうは言っても、やはり思春期の高校生時代に痔持ちになってしまったら、かなりショックを受けるだろう。12月16日に発売された『KISS MY ASS』(大見武士/少年画報社)の主人公・薬師寺充輝も、いぼ痔に悩まされている男子高校生。普段は自分の痔を隠しながら生活していたのだが、ある日、その秘密がクラスメイトの三浦栞にバレ、肛門科の医師を目指しているという彼女の協力を得て痔と闘うことになる。その過程とは、どうなっているのだろう?

 まず、痔にはいぼ痔とあな痔、切れ痔があるのだが、薬師寺のようないぼ痔になる1番の原因は「排便時の過度ないきみ」。だから、和式便所は痔の大敵なのだそう。それに、「うんちが固いために便秘になり そのせいでいぼ痔になってしまう」人も多い。それは、食物繊維が足りていないからなのだが、逆に「食を正せば5割は治る」とも言われる。特に、バナナや海藻などの食物繊維を多く含む食材に加え、胃腸の働きを助けるヨーグルト、山芋、イチジクなどを摂取するといいそう。

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 三浦は薬師寺のことを痔の友人であることと、痔から自由になることをかけて“痔友人”と呼んでいるのだが、みなさんもそんな痔友人を普段の生活で見つけることができるかもしれないのだ。たとえば、「いぼ痔持ちはうつ伏せで寝る人が多い」し、いぼが飛び出さないようにするため、歩くときにやたら姿勢がよかったり、痛みを抑えるため「片足を太ももの下に入れて座る」そう。痛みに耐えようとして不自然に「無表情になるか笑顔になる」人も。そして、いぼ痔にとって「患部の冷えと汚れは悪化の原因」なのだが、排便後にウォシュレットや座浴をする事で改善した例はたくさんあるという。だから、ウォシュレットがついていないトイレに行かない人や必ずウォシュレットを使う人、携帯ウォシュレットを持っているという人は、痔友人の可能性が高いかも!?

 痔の初期段階なら、食事とウォシュレット、座浴、薬などで症状はずいぶん改善されるそう。しかし、悪化してしまった痔と闘うのはなかなか大変なこと。手術しようにも、高校生には10万前後の大金を用意することが大変だし、1週間から10日という入院期間を怪しまれずに確保するのも難しい。また、いぼ痔が一番飛び出しやすいのは「中腰で力を入れた時」なので、手術費用を貯めるためのバイトすら自由には選べないのだ。それでも、痛みに耐え続けなければならない。そんなとき、痔を憎い敵だと思っていると腹が立つので、痔持ちの人たちは「長年育ててしまった我が子」とか「ツンデレでワガママだけど可愛い恋人」と考えることで痛みを乗り切るんだとか。

 こうやって見てみると、完治するまでの道のりは長そうだが、痔友人の絆は切っても切れないほど強いものになることだけは間違いなさそうだ。

文=小里樹