「ココナッツオイル」がアルツハイマー病予防に有効?

健康

更新日:2014/1/31

 みなさん「ココナッツオイル」をご存じでしょうか?

 先日『はなまるマーケット』(TBS系)で紹介され、翌日には店頭からその姿が消えたとか。カロリーが高くカラダの大敵と思われがちな“油”。ところが、摂取した方がいい油があったのです。それは、太りにくく、ビタミンEが豊富、アンチエイジングにも効果的な「ココナッツオイル」。

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 1月28日に発売された『アルツハイマーの改善&予防に! ココナッツオイルでボケずに健康―1日大さじ2杯から 太りにくい! アンチエイジング効果も!』(白澤卓二:監修、ダニエラ・シガ:その他/主婦の友社)によると、ココナッツオイルには、大きく2つの効果があるそうです。

■アルツハイマー病の改善&防止に!
 厚生労働省によると、2025年には、国内患者数323万人に達するというアルツハイマー病。症状を緩和させる薬はあっても、今のところ有効な治療薬がないアルツハイマー病の進行を止める効果がココナッツオイルにはあるのだとか。

 それはなぜか?

 アルツハイマー病の原因は、脳の神経細胞の障害。神経細胞は、「グルコース(ブドウ糖)」をエネルギー源としますが、アルツハイマー病になると、グルコースを使えず、脳が“ガス欠”状態に。そのとき、神経細胞のもうひとつのエネルギー源となるのが、“中鎖脂肪酸”が肝臓で分解されてできる「ケトン体」なのです。その「ケトン体」を作る “中鎖脂肪酸”がココナッツオイルには約60%も含まれており、アルツハイマー病の救世主として注目されているのです。「ケトン体」が脳の神経細胞に供給されなくなると、たちまち認知障害の症状がでてしまうため、摂取し続けなければなりません。ココナッツオイルの含有量には劣りますが、牛乳、母乳、パームオイル、ココナッツミルクにも“中鎖脂肪酸”が含まれています。

 アルツハイマー病と診断されるのは70~75歳がピークですが、その芽は、50~55歳くらいからすでに見られるといわれています。つまり20年かけて進行するというわけです。そこで、著者の白澤氏は、早くから中鎖脂肪酸を摂ることで、少なくても認知機能を維持することができるといいます。とはいえ、「本を読む」「文章を書く」「料理をする」「英会話を学ぶ」「仕事をする」など生活の中で脳を使い続けることも大事です。

■ダイエット、アンチエイジングにも効果的!
 中鎖脂肪酸は、脂肪組織に蓄積された中性脂肪を減らす作用があり、食事でとる脂肪をココナッツオイルに換え、1年間に数キロ減量した研究報告がいくつもあるそう。また油が腸内の便を滑らかにして便秘を解消! ダイエットに一役かってくれるのです。あわせて「糖質制限」の食事と組み合わせればより効果が発揮されます。

 老化の原因は、活性酸素による酸化ストレス。ケトン体は、活性酸素を無害にするアンチエイジング酵素群を活性化してくれるのです。

 そうはいっても日本人に馴染みの薄い「ココナッツオイル」。さてお味は? ということで、実際に食べてみることに。まずは、ココナッツオイルを使ったカレーから。グリーンカレーのようで全くクセがなくマイルド。辛いのが苦手な人にはぴったり。温度が20度を下回ると固形になるので、次は、バターの代わりにパンに塗って食べてみることに。普通においしい…。特にドライフルーツ入りのパンとの相性は抜群!

 本書には、ココナッツオイルを使用した55のレシピが掲載されています。「ココナッツ風味のシーフードカレー」をはじめカレーだけでも5種類。「魚介のチゲスープ」や「スペイン風オムレツ」、「いちごヨーグルトスムージー」、「フレンチドレッシング」など、作りやすく普段の食事となんら変わらないメニューが並びます。単純にいつも使う油をココナッツオイルに代えるだけでもいいそう。

 ただし、カラダにいいからといってカロリーは他の油と同様。摂り過ぎによる肥満にはくれぐれも注意を! 改善にも予防にも目安は1日大さじ2杯です。

文=中川寛子