関連書籍も続々出版! “インコ”ブームがきてる…のか?

暮らし

更新日:2014/3/4

 「干したお布団のようなふかふかした甘い匂い」がするという、セキセイインコの“風味”を再現したアイスがちょっとしたヒット商品となったり、雑貨店でインコモチーフのアイテムが増えていたりと、昨年後半くらいから何やら盛り上がっている“インコ”界隈。『インコ語レッスン帖 もっともっとインコに愛されたいあなたへ』(磯崎哲也/大泉書店)、『マンガでわかるインコの気持ち』(細川博昭/SBクリエイティブ)、『インコとおしゃべり キモチがわかれば、もっとなかよし!』(コンパニオンバード編集部/誠文堂新光社)、『インコちゃんオウムちゃん』(池渕万季/パイインターナショナル)など、インコとのコミュニケーションや飼育法をテーマにした書籍も続々と刊行されている。なぜ今“インコ”なのか? その理由を“インコ編集長”こと、タカギタイキチロウ氏に尋ねた。

 強烈なインコ愛を謳ったインコ短歌集『不義理なインコ』(電子書籍)や、インコグッズのプロデュースなどの活動で知られるタカギ氏は、自身も8羽のインコと2羽の文鳥を飼育する愛鳥家。それだけに、昨今のブームに関しては慎重な姿勢をみせている。

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「確かに、このところインコ関連のグッズに注目が集まっていたり関連書籍が増えていたりはしますが、インコを飼う人の数が急増しているとまでは言えないと思います。SNSを利用し愛鳥家同士が活発にコミュニケーションをとるようになり、把握しにくかったインコファンの数が可視化されたことで、これまでにはなかったマーケットが創出された…というのが、いわゆるブームの実体ではないでしょうか」

 また、インコを飼育することについても…。

「人気が高いセキセイインコなら平均7~8年、長ければ10数年の寿命と、ペットとしては結構長生きの部類に入るんです(大型のインコやオウムなら4~50年以上生きる種もいるそう!)。小鳥を飼うというと、気軽なイメージを持たれがちですが、実際には相応の覚悟がいるもの。特に独身の場合は、小鳥に理解のある伴侶を見つけなければ、結婚も難しくなるでしょうね」

 と、警鐘を鳴らすことを忘れない。犬猫に比べ身体が小さい、屋外を散歩させる必要がないなどの理由から、ひとり暮らしにもピッタリというイメージがあるインコだが、うっかりすると婚期を逃す要因にもなるようなのだ。

 とはいえ、そこは“インコ編集長”。インコの魅力を語ることも忘れてはいない。

「簡単にいえば、犬の良さ(人懐っこさ)と猫の良さ(マイペース)を合わせて持っているのがインコという生き物。カラフルな姿や愛くるしいフォルムと仕草といった外見上の魅力もさることながら、互いにやきもちを妬いたり、飼い主に対して拗ねて見せたりするといった感情の豊かさがいちばんの魅力でしょう。なにより、空を飛ぶ生き物と一緒に暮らすというシュールさが、たまらないんですよねぇ」

 生き物が対象となるだけに、むやみなブームになってほしくはないが、その魅力を聞くとやはり気になってしまうインコたち。まずは、関連グッズを集めてみることからハマってみるのがよいかもしれませんね。

文=石井鳥郎