女子高教師が変態紳士だったら… モットーは「YES妄想、NO TOUCH」

マンガ

更新日:2014/2/21

 女子高といえば、男にとって最高のパラダイス。女子高教師なんて言ったら、多くの男たちから羨ましがられることは間違いない。しかし、それと同時に絶対に手を出すことは許されないという点ではある意味地獄でもある。そんな状況を、誰よりも上手く満喫している教師が現れた。それが、1月25日に発売された『妄想高校教員 森下』(西渡 槇/スクウェア・エニックス)の森下だ。「YES妄想、NO TOUCH」をモットーにする変態紳士である彼は、頭の中でどんな妄想を繰り広げているのだろうか。

 食いしん坊の教え子・峰杏子が調理実習で作ったクッキーを「よかったら食べて下さい」と言って持ってきたときは「あの食いしん坊の峰杏子が他人に食べ物をあげるなんて…!!!」と妄想スイッチが入る。しかし、彼は妄想の中でも紳士。「誰よりも大好きな森下先生のために焼いたんです!!」と言う峰に対して、「これに特別な愛情が込められているなら教育者として私は受け取ることはできない」と返す。でも、私がぽっちゃりさんだから…と落ち込む彼女には「今の峰は私の理想的なぽっちゃりだ!」と熱弁し、卒業するまでの約束としてクッキーを受け取ることにするのだ。ただ、激甘党の峰が作ったクッキーは、その匂いだけで蜂と蟻がたかってくるほど。それでも、森下は「生徒の愛は微塵も渡さん」と蟻を踏み潰し、蜂を叩き潰して対抗するのだ。

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 また、生徒が自分にぶつかっただけでも頭の中ではすでに妄想が広がっている。超天然キャラの西川千夏が段差でつまずいてぶつかると、「西川はつまずいたフリをして私に抱きついたのだ!」「若い者があの程度の段差でつまずき惑わしい上目遣いなどしない!!」と思い込む。しかも、頭の中のちょっぴり小悪魔な西川は「あの時抱きしめ返してほしかった」と寂しげに笑うのだ。誰もいない教室でそんな妄想を繰り広げていた森下は、西川の机に向かって土下座し、彼女の体操服を着てリコーダーまで吹いてしまう。誰にも見られなかったから良かったものの、これはこれで危険。やはり、手を出さなければOKとも言えなさそう。

 そして、水泳の授業で水着が指定なしになり、ビキニや思い思いの水着を着てきた生徒に対しては「こぞって腹など出しよって女の子ならつつしみの心をもちたまえ」と冷静に返す森下。でも、実際は彼が「汚してはならない純潔さを感じるスクール水着こそが一番だ!!」と思っているから。そんななか、坂下ちよという小柄な生徒だけがスク水を着ていた。それを見て、森下は「何か別の理由があるのではないか…?」と考えだす。すると、妄想の中の坂下は「恥ずかしいけど先生がスク水好きだって聞いたから…」とはにかむ。そこからさらに、クラスの女子全員がスク水になる展開を妄想して、嫉妬した坂下がプールに走っていくところまでイメージし、そんな彼女を救うために「ビート板を使え坂下!!」と言って、本当に彼女に向かってビート板を投げてしまうのだ。でも、坂下は「ビート板使っていいのか悩んでたことよくわかりましたね」と驚きながらも、自分でそんな妄想が繰り広げられていることなんて露知らず、「森下先生ってなんか…いいよね」と友達に話す。妄想も満喫しながら好感度も上げられるなんて、すごすぎる。

 ほかにも、スーツの袖のボタンがほつれているのを見て、以前もそれを直してくれた世話焼きの委員長と結婚する妄想をしたり、教卓に座っていた生徒の気持ちを知ろうとマネしてみて、生徒に膝枕される妄想をしてしまうのだ。それでも、生徒からは真面目な先生として慕われているのだから、変態妄想紳士は女子高教師として最強なのかもしれない。

文=小里樹