むすめん。 PCF… 「踊ってみた」の“中の人”ってどんな人?

芸能

公開日:2014/2/23

 ニコニコ動画やYouTubeで人気の“踊ってみた”動画。アーティストやアイドルの振りを完コピしたものからアニソン、ボカロ曲に自ら振り付けも考えて動画をアップしている人もたくさんいる。そこで、話題の男性踊り手を特集した『踊ってみたの中の人』( 『踊ってみたの中の人』の中の人/PHP研究所)から、一体どんな人が踊ってみたをやっているのか紹介してみよう。

 まずは、モーニング娘。『恋愛ハンター』の踊ってみた動画で人気になった「むすめん。」。「無人島に一つだけ持って行くとしたら何を持って行く?」という質問に対して、9人中3人がメンバーの名前を挙げるほど仲良しな彼ら。もともと躍り手として活躍していたが、最近ではオリジナル楽曲を歌って踊るアイドルグループにまでなっている。そしてアイドルにならい、彼らには自己紹介用のキャッチフレーズもある。リーダーの白服は「君の心を漂白! むすめん。のリーダーこと白服です」というもの。ダンスもキレキレでリーダーもやって、こんな名前とキャッチフレーズなのに、メンバーからの印象は「根暗」「コミュ障」「ストーカー」。しかも、ステージとプライベートの落差が激しいらしく、メンバー全員から「オフは、くすんでいます」と言われるほど。シャイだったり、芸人気質のメンバーもいるので、踊ってみたの動画や新曲の王子様姿とは違った一面もたくさんあるよう。

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 また、どちらも演劇あがりというゲーム実況プレイヤーの暴徒とニコ生主のTAKUMA、暴徒とオフ会やイベントで出会ったただのん、けいたんの4人からなる「PCF」。ダンスを始めたきっかけが『凉宮ハルヒの憂鬱』のエンディング「ハレ晴れユカイ」のアニメーションを見てというただのん。踊ってみたを始めたきっかけがこの曲だという人は多いようだが、メンバーのけいたんも自動車教習所で出会った人にダンスを習い、その2、3年後にブレイクダンスのイベントで「ハレ晴れユカイ」を踊ったというから、思い入れは強いよう。でも、彼らが「たぶん踊ってみたの人たちって、エンタメ脳なんだよね。いろんなことを面白くしたい」「僕も踊りが好きなわけじゃなくて、面白い動画を作るのが好きなんですよ」と語っているように、表現方法や手段として踊ってみたをやっている人も多い。

 そして、YUMA、SHIRAHAN、RYOで結成された山口県下関出身のダンスユニット「SHARE LOCK HOMES」も、ダンスを始める前はメンバーそれぞれがいろんなことをやっていた。バンドマンだった父の影響で、音楽は好きだけどバンドマンが嫌いだったというYUMA。だから空手をやっていたが、嫌気がさして小学5年生ぐらいからダンスを始めたそう。SHIRAHANはバンドでベースをやっており、中学でYUMAと出会ったことをきっかけにダンスを始め、RYOはサッカーをやっていたがいろいろあってその選択肢がなくなり、YUMAやSHIRAHANのダンスを見てダンサーを目指した。彼らは「とにかく有名になりたい」という思いで東京に出てきたので、それぞれダンスをやりながらモデルや歌手活動、DJもするし、YUMAとSHIRAHANはふたりでデザイナーチームもやっている。休日は「お互い行く相手がいないから、男ふたりで美術館」に行ったり、オフに切り替えるために3人で海に行って星を眺めたりもするようだ。

 もともとダンスをやっていたという人ももちろんいるが、ダンスを習ったこともなければ動画を撮ったこともなかったけど、いろんな動画を見て興味を持ち、始めてみたという人も結構いる。どうやら、踊ってみたの中の人には「何か面白いことがやりたい」「誰もやってないことをやりたい」という気持ちが根底に強くあるようだ。

文=小里樹