婚活に本気なアラフォー必読! 『“48歳、彼氏ナシ” 私でも嫁に行けた!』

出産・子育て

公開日:2014/3/19

 いまや書店に専用コーナーができるまでになった「婚活本」。『100回お見合いしたヲタ女子の婚活記』(肉子/宙出版)、『31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる』(御手洗直子/新書館)のように、自分に近い趣味・嗜好を持った著者の婚活本は具体的なヒントを得やすいが、著者の年齢や趣向が記されている本はまれ。幅広い年代に向けた婚活本では、婚活に本気なアラフォーと、婚活をスタートさせたばかりのアラサーでは、相手に対する要望や結婚そのものに対する意味も異なってくるため、婚活本に書いてあるセオリーも年齢によってはまったく意味をなさないこともある。

 そこで今回は、『“48歳、彼氏ナシ” 私でも嫁に行けた! オトナ婚をつかみとる50の法則』(衿野未矢/文藝春秋)を参考に、婚活に本気のアラフォーが気をつけるべきポイントを学んでみよう(本書の場合は、ほぼアラフィフだが)。

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 著者の衿野氏は、47歳にして自分の中の結婚願望に気づき、友人の紹介をメインに婚活を開始。先に婚活を始めていた同世代の直球アドバイスと自らの経験で見出した「50の法則」を築き、新潟県魚沼市在住の男性を射止めた。

 ノンフィクション作家としてのキャリアを積み上げてきた衿野氏だが、結婚に関しては「事実婚や同棲という“妥協”はしない」という確固たるルールを持っていた。一般的には、自立した男女であれば事実婚でもいいのでは? という風潮もあるが、彼女の友人いわく、
「男女とも元気で仲もよく、うまくいっているときは、確かに紙切れ一枚の差かもしれない。でも病気をしたときや、別れるときに、まったく変わってくるの」

 仮にどちらか緊急の手術が必要になった場合、事実婚では手術の承諾書にサインはできない。別れた際の住居の名義や万が一不幸な事故に遭った時の連絡など、事実婚ではカバーしきれない問題が出てくる。特に健康問題が出てくる中年カップルには、それらの不安が現実になるケースも多い。だからこそ、衿野氏は結婚という形になっているゴールを目指したという。

 ファッション編のルールも面白い。彼女が導き出したルールは「服装は“無難”を避ける」というもの。目当ての男性と食事する際、結婚情報サービスでは「男性が好みそうな、万人受けする無難なワンピース」を女性にすすめるそうだが、衿野氏はありのままの自分を受け止めてもらいたいと、着物を選んだという。これが結婚に時間的な余裕がある女性なら「万人受け」のワンピースが正解なのだろうが、無駄な鉄砲を打つのは避けたいアラフォーでは、最初から素の自分でアピールすることが結婚までの最短距離のようだ。

 意外なのは、「結婚願望を隠さない」という法則。一般的に、婚活のルールとして「あまりにも結婚願望を表に出すと、男性が逃げる傾向にある」と言われているが、衿野氏は以前出会った男性に結婚願望を聞かれ、「結婚はもういい」と建前で答えたところ、そのまま疎遠になってしまったという。「最初にタテマエを出してしまうと、修正しづらい」と悟った彼女は、とある男性にメールで結婚願望があることを書いたところ、複雑な心のうちを語ってくれた。つまり「自分がさらけ出すと、相手も心を開いてくれる」という。

 巻末には衿野氏が現在の夫にインタビューをしているのだが、デートの度に「結婚してくれ」と迫り続けたことを疎ましくなかったかと質問したところ、夫は「えっ、そんなに迫られたっけ? あんまり覚えていないなあ」と言うから、女性が思っている以上に積極的にアピールしないと男性には伝わらないのかもしれない。

 ほかにも「遊ばれたら笑って許す」「家には泊めない」「“いい嫁”を目標にしない」など、ユニークな法則を見出した衿野氏。自分を高く見せようとしたり、駆け引きをしたりと戦術的になりがちなアラフォーを、「ありのままの自分で勝負!」と背中を押してくれる本書は、本気で婚活する女性にこそ参考にしてほしい。