『ハイキュー!!』の魅力はキャラの関係性にあり 日向と影山、対照的な2人に注目

マンガ

更新日:2014/3/25

 これまで数々のスポーツブーム、部活ブームを生み出してきた『週刊少年ジャンプ』。そのなかでいま、人気急上昇中で、この春、待望のアニメ放送が開始されるのが『ハイキュー!!』だ。排球(はいきゅう)=バレーボールは、高さが圧倒的に重要なスポーツでありながら、ボールをつなぐことなくしては絶対に勝てないチーム競技であるという点で、他のスポーツとは一線を画している。

 だが、『ハイキュー!!』の主人公・日向はバレーボールには不利な小柄な体格。その代わり驚異のジャンプ力を持つ。一方、相棒の影山は天才的なセンスを持つが、唯我独尊の性格でチームプレイに難あり。このように登場人物は、どこかしら一長一短があり、実に多彩なのだ。『ダ・ヴィンチ』4月号では、そんな個性的な選手が助け合いながら一つのチームとして成長していく『ハイキュー!!』の魅力をキャラクターから解析している。

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――「日向」と「影山」という名前が示すように、二人は見事に対照的。自ら点を取りにいくミドルブロッカーに対し、彼らにトスを上げるセッターというポジションの違いもあれば、誰とでも仲良くなれる元気な日向に対し、コミュニケーション下手な影山という性格の違いもはっきり分かれている。他にも無名と有名、チビと高身長、技術に自信ナシと自信過剰など、何から何まで正反対に見える二人。

 しかし、ある一点において二人は似たもの同士なのだ。それは、誰よりも“負けず嫌い”であること。そのため互いに負けまいと練習量を競い合い、試合になれば“鬼に金棒”のコンビと化す。

 「排球=バレーボール」は、背が高いことが圧倒的なアドバンテージとなるスポーツだ。しかし、主人公の日向翔陽は小柄……。そんな彼がバレーボールを始めたきっかけが、小学生のときにテレビで見た烏野(からすの)高校の「小さな巨人」と称される選手への憧れだった。

 以来、バレーボールに打ち込んできた日向だったが、中学時代の部員は自分と新人3人だけ。サッカー部やバスケ部に助っ人を頼み、なんとか中学総体県予選に出場するも、初戦の相手は“コート上の王様”影山飛雄を擁する優勝候補・北川第一中学。日向は驚異のジャンプ力で才能の片りんを見せるが、寄せ集めチームがかなうわけもなく、大敗をきっしてしまう。

 影山にリベンジを誓い、「小さな巨人」が在籍した烏野高校に進学した日向だったが、なんとそこには影山の姿が! 強豪校の受験に失敗し、彼もまた烏野高校に入学していたのだ。しかも、烏野高校バレー部は、名将・烏養監督が引退してから低迷し、今や「落ちた強豪“飛べない烏”」と呼ばれるチームになっていた。

 ライバルからチームメイトへと一転し、当初は反目していた二人が、やがて天才セッターと驚異のジャンプ力を持つ未知の新人という名(迷!?)コンビとしてチームをもり立てていく。

 同誌ではほかにも、身長もパワーも申し分ない点取り屋だが自信を喪失した東峰、日向よりも小柄ながら決してボールを落とさないリベロ・西谷、ポテンシャルは高いのに熱くなれないクールな月島、美人だけどシャイで無口なマネージャー・潔子など、魅力的なキャラクターを紹介しながら作品と烏野高校の強さを紹介している。

構成・文=大寺 明/ダ・ヴィンチ4月号「ハイキュー!! 大特集」