ニコニコ超会議3にも登場! ネットで大人気のダイオウグソクムシって?

科学

更新日:2014/3/26

 4月26日、27日に幕張メッセで開催される「ニコニコ超会議3」。今年もさまざまな参加者が登場するようだが、なかにはちょっと変わったものも。それが、ダイオウイカやリュウグウノツカイと並び、最近ネットで大人気になっているダイオウグソクムシだ。なんと、新江ノ島水族館からダイオウグソクムシ2匹とオオグソクムシ100匹がやってくるという。その移動の様子を生中継したり、実際に見て触れるブースも用意されるよう。さらに、先月死んでしまった鳥羽水族館のダイオウグソクムシ「1号たん」ことNo.1を3Dプリンタで再現した復活祭も行われる。そんなダイオウグソクムシだが、どんな生物なのかいまいちわからないという人もいるはず。そこで、3月10日に発売された『深海生物の奇妙な生態』(深海生物研究会/宝島社)から、ダイオウグソクムシについて見てみよう。

 1978年になって発見されたというダイオウグソクムシは、メキシコ湾やインド洋、大西洋の100メートルから1000メートルの深海に生息する。7対の歩脚の後ろ、尻尾の下にはヒレ状の遊泳脚があり、泳ぐときにはそれをヒラヒラとなびかせながら腹を上にし、身体をくねらせて背泳ぎしたりするそう。基本的には雑食性で、魚やクジラ、イルカといった生物の死骸を餌にしているというダイオウグソクムシは、「海の掃除屋(スカベンジャー)」とも呼ばれている。しかし、このダイオウグソクムシ、実は絶食にもかなり強いのだ。鳥羽水族館で飼育されていた1号たんは、5年以上もの間、一口も餌を食べなかった。それなのに、食事をしなくなって3年10カ月経過した段階でも、体重はわずか12グラムしか減っていなかったという。

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ニコニコ超会議3のサイトには「超ダイオウグソクムシブース」の情報も
ニコニコ超会議3のサイトには「超ダイオウグソクムシブース」の情報も

 

 また、とにかくいろんなものが“最大”だというダイオウグソクムシ。フナムシをはじめとする等脚類としては世界最大で、大きいものだと「体長76センチ、体重1.7キロ」にもなる。小型の生き物が多い等脚類のなかでは、とにかく異例の存在らしい。頭部には黒い複眼があるのだが、その数も約3500個と節足動物の中では最大級。おまけに、受精卵も節足動物としては最大。こんな最大尽くしの生き物がいたら、誰だって興味をそそられる。

 節足動物でもあるダイオウグソクムシだが、海に棲む節足動物には100年生きたとされるアメリカンロブスターがいたり、タラバガニでも30年から40年生きるなど、とにかく寿命が長いということでも知られている。現時点でダイオウグソクムシが何年生きるのかはまだ誰にもわかっておらず、どれくらいかけて体長70センチを超えるほどのサイズに成長するのかもわからない。体内データのスキャンも、甲殻に邪魔されて不可能。そんな謎に包まれた生物だからこそ、人々を惹き付けてやまないのだろう。

 新江ノ島水族館や葛西臨海水族園など、複数の水族館で飼育されているようなので、「ニコニコ超会議3までなんて待てない!」という人は、一度水族館まで足を運んでみるといいかもしれない。

文=小里樹