「木戸衣吹」声優インタビュー&撮り下ろしグラビア【声優図鑑】

アニメ

更新日:2016/2/12

これからの活躍が期待される声優に、声優を目指したきっかけや、初めてのお仕事、そしてプライベートなことまで、気になるあれこれについてインタビューを行い、さらに撮り下ろしのミニグラビアも交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。
第8回となる今回は、TVアニメ『お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ』の姫小路秋子や、TVアニメ『ゴールデンタイム』の岡千波を演じている木戸衣吹さんです。
 

――声優になりたいと思ったきっかけは何ですか?

木戸:3歳くらいの頃から、何かになりきって1人お芝居ごっこみたいなことをするのが大好きだったんです。それから、漫画とかを読むようになって、そこに声を当てて1人の世界に浸るのが好きになって。アニメを観るようになって、小学4年生の時に『しゅごキャラ!』っていうアニメを見て、ほしな歌唄ちゃんを演じていた水樹奈々さんに憧れて声優になりたいなって思うようになりました。歌手の役の子だったので、アニメの中でも歌を歌っていたりして、その歌声は水樹さんがやっていたので、アニメはキャラクターの声だけじゃなくて歌もやったりするんだって思って。歌唄ちゃんのCDは全部買っていました。

――オーディションの時にはどんな自己PRをしましたか?

木戸:20秒くらい時間があったと思うんですが、『しゅごキャラ!』の歌唄ちゃんのセリフを言って、そしたら6秒で終わっちゃって(笑)。体を使った特技とかは何もしなかったので、そんな短時間で終わってしまって…(笑)。でも地方予選を勝ち抜けて。その後熱海合宿があって、そこから東京合宿があって。周りはみんな仲間だけどライバルっていう感じで。歌もやるんですが、私は歌が苦手なのでこれは私は受からないだろうなと思っていました(笑)。

――どこか養成所に通っていたわけではないんですよね?

木戸:小さい頃から独学で、テレビの音を消してアニメで1人アフレコをしてみたり、テレビでアフレコ現場の様子をみたりして、早くスタジオ行きたいなと思っていました。なので、声優としていざ現場に行ってみた時には特にびっくりしたことはありませんでした。見ていた通りのことを本当にしていたので、心構えが出来ていたというか。

――そうして実際にアフレコに初めて参加したのは『アマガミSS+ plus』ですよね。実際に現場に入ってみて感じたことはありましたか?

木戸:皆さん、キャラクターに魂がこもってるなって思いました。私は実行委員の役をやったんですが、女子高生であっても、その子が生きてきた人生を考えたり、魂を入れ込むっていうのはこういうことなんだな、いろいろ考えたりしました。あとは、アフレコ中に音をたてちゃいけないっていうのは分かっていたんですが、皆さん台本のページをめくったりするのも音をたてないので、本当に凄いなと(笑)。
 

――『お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ』の現場ではいかがでしたか?

木戸:1話からヒロインと主人公しか喋っていなくて、セリフ量が多かったんです。しかもギャグラブコメディっぽいかんじだったので、ギャグもすごくあったんですね。短い中で長いセリフを言わないといけないので、早口言葉みたいな感じで。すごくいっぱい噛んだりもしていたんですが、おかげで早いセリフにも慣れられました(笑)。でも早口だけにとらわれてしまって、監督さんに「感情がこもってる方が大事だから」って言われたこともありましたね。

――演じた秋子ちゃんについてはいかがですか?

木戸:お話はドキドキ色っぽい内容だったんですが、私も兄がいて、秋子ちゃんほどではないですが(笑)お兄ちゃん大好きなので自然と感情移入できましたね。

――高校生の役を演じていることが多いですね。

木戸:秋子を演じた時はまだ中学生でした。最近では『ゴールデンタイム』という作品で岡千波ちゃんていうキャラクターを演じてたのですが、大学生なんですが見た目は小学生みたいなキャラクターなんです。アフレコの時に、声は幼いけど気持ちは大人っぽくした方がいいんですかって聞いてみたんですが、そこは小さい子っぽくやっていいって言われて演じました。

――『お姉ちゃんが来た』で演じた藤咲美奈はどんなキャラクターですか?

木戸:美奈ちゃんは学校のマドンナ的存在ですごくキラキラして可愛い女の子なんですが、すごく腹黒な女の子で(笑)、表と裏のギャップがあるんです。なので、漫画で見た時から声を最初からすごくギャップがあるように演じようと思っていました。
 

――4月からは『彼女がフラグをおられたら』に出演されていますね。

木戸:キラキラした女の子の可愛さが特徴的なのですが、実は主人公は過去に暗いことを抱えていて、それを周りの女の子たちが癒してあげるっていう話なんです。ガラッとシリアスな話になったりする時もあります。甘やかされいちゃいちゃラブコメ、っていう感じですね(笑)。

――演じる菜波・K・ブレードフィールドはどんなキャラクターですか?

木戸:王女様で、素直になれないツンデレなキャラクターです。でも本当は寂しがり屋で。この作品は菜波以外にも個性的なキャラクターが出てくるんですが、あまりに周りが個性的過ぎて、だんだん菜波が埋もれてきちゃうんじゃないかって思って…個性を意識して周りの皆さんに負けないよう頑張って演じました!菜波と茜ちゃんふたりがヒロインみたいな感じなんですが、菜波がツンデレであんまり素直になれないので、茜ちゃんの方が正統派だと思います (笑)。

――そして『健全ロボ ダイミダラー』にも出演されますね。どんな話ですか?

木戸:とても、あの…健全な作品です(笑)。最初アフレコ現場に行った時に、本当に下ネタばっかりで賑やかで面白いです(笑)。みんな下ネタを真剣に一生懸命言っているので、それが逆に(笑)。大ベテランの方も面白いことを言っていて、テストでもつい笑ってしまったりして、本番ではどこか抓ったりして笑いを堪えています…(笑)。

――現場ではアドリブも多かったりするんですか? 

木戸:多いですね。特に子安さんが…(笑)。下ネタではないんですが、真剣なことを喋っているだけでも面白いです(笑)。

――演じる真境名そり子ちゃんはどんなキャラクターですか?

木戸:見た目は高校生くらいなんですが、本当の年齢は二十歳なので少し大人っぽいキャラクターで、お風呂シーンとか色っぽいシーンがあるので、そういうところでは色っぽくやっています。ロボットの説明などを担当することが多くて、台本2ページ分もあるようなすごく長い文章があって、そういうところは大変でしたね。
 

――これまで演じてきた中で、自分と似ているなと思うキャラクターはいましたか?

木戸:『お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ』の秋子ちゃんですね。お兄ちゃんがいるのもあるんですが、けっこうふざけたりするところが似てるなって思います。いつも一生懸命なところとかも。

――『帰宅部活動記録』の安藤夏希ちゃんはどんな印象でしたか?

木戸:演じた時に、丁度夏希ちゃんと同じ高校一年生だったので、同じ歳ということもあって印象深いですね。夏希ちゃんに出会うまではボケだったんですが、演じてからはツッコミが増えたような気がして、それは夏希からの影響かなと思います。いつもダルそうな声のトーンで喋っていて、運動部とかに入っても毎日学校に行かないといけないから帰宅部を選んだくらい面倒くさがりな女の子で、そういうところは似ているかもしれないです…(笑)。

――木戸さん自身はどんな部活に入っていたんですか?

木戸:家庭科部に入っていました。「料理を作れてただで食べられる」っていう理由で…(笑)。顧問の先生がゆるくてずっと教室にいるわけではなくて、職員室に行ったりしてしまうので、みんな裁縫とかしないでただ喋っていたり。そこでアニメの話をしていたり、すごく自由な部活でしたね(笑)。

――特技が耳掃除、とのことなのですが、これは自分の耳を掃除するのが好きということですか? それとも人にやってあげるのが…?

木戸:自分の耳掃除をするのが好きなんです。小さい頃にやりすぎて耳鼻科の先生に「血が出ますよ!」って怒られていたくらいで…(笑)。今でも家には黒と白と赤ちゃん用の麺棒を用意しています(笑)。最近は靴下集めが趣味です! オシャレは足元からっていうことで(笑)。

――青森ご出身とのことですが、東京に来て驚いたことはありましたか?

木戸:とにかく人が多いことですね(笑)。あと、青森は地下鉄がないので制服を着て満員電車に乗って、スイカをピッてタッチするのが憧れでした(笑)。今はもう…満員電車は嫌いですね。電車の乗り換えも最初は苦戦したんですが、だんだん慣れてきました。でも新宿とか池袋とかはいまだにパニックですね…(笑)。

――ほかに東京に来てテンションが上がったことってありましたか?

木戸:109を見たことですね。東京の天気とか、いつも109が映っていたので、本当に見た時は感動しましたね。
 

――今後、どんな役を演じてみたいですか?

木戸:今後はちょっと大人っぽい女性や、悪役の少年も演じてみたいです。

――ここまでいろいろ伺ってきましたが、今後どんな声優になっていきたいですか?

木戸:幅広い役を演じることが出来る声優さんになりたいです。『お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ』の時や、ラジオを初めてやった時にも、まったく喋れなくて周りの先輩方に本当に助けられたので、面倒見がいいお姉さんみたいな声優さんになりたいです。あと、ラジオのトークも上手くなりたいです。

――文化放送超!A&G+で、ラジオ『木戸衣吹・エリイちゃんのゆめいろ学院 Doki☆Doki参観日』を山崎エリイさんとやっているんですよね。

木戸:相方のエリイちゃんがふわっとしたキャラクターなので、私が引っ張っていけるようにガンバってトークしている…つもりです(笑)。

――では最後に、この記事を見てくれる方に、メッセージをお願いします。

木戸:これからもたくさんの作品に出演して、皆さんから愛されるキャラクターを演じられるようにこれからも精進してガンバります! 『健全ロボ ダイミダラー』『彼女がフラグをおられたら』、見てね!

――ありがとうございました!


次回の「声優図鑑」をお楽しみに!
 

木戸衣吹

・公式ブログ「おやすみ いぶきんぐ先生」
http://ameblo.jp/kido-ibuki/

・ホリプロオフィシャルサイト
http://horipro.co.jp/talent/PF146/

(取材・文=ucz、撮影=山本哲也、キャスティング協力=吉村尚紀)