今クールの大本命ドラマ『ルーズヴェルト・ゲーム』は、“半沢直樹×ROOKIES”!?

テレビ

公開日:2014/4/27

 『半沢直樹』のスタッフが再結集したことで話題を呼んでいるTBSの新ドラマ『ルーズヴェルト・ゲーム』が、いよいよ27日(日)からスタートする。もちろん原作は『半沢~』同様に池井戸潤の同名作品で、舞台となるのは銀行ではなく、年商500億円の中堅精密器機メーカー・青島製作所だ。果たしてどんな物語なのか、気になるその内容を原作から紹介しよう。

 まず、『ルーズヴェルト・ゲーム』(池井戸潤/講談社)がユニークなのは、リーマンショックによる金融危機で業績不振にあえぐ会社の立て直しと、廃部寸前の社会人野球チームの奮闘が並行して描かれる点だろう。高い創造性と技術力を持ちながらも、競合他社のミツワ電器(ドラマではイツワ電器)に押されつつある青島製作所。他方、野球部も栄光を誇ったのも今は昔。戦績は奮わず、監督とエースを、こともあろうかミツワ電器に引き抜かれ、経営悪化の煽りを受けて存続が危ぶまれているような状態だ。

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 会社も野球部も、もはや死に体──そんななか、青島製作所の社長・細川(ドラマでは唐沢寿明が演じる)にもちかけられるのが、ミツワ電器との経営統合。ここで暗躍するのが、取引企業・ジャパニクスの社長で経団連の副会長も務める諸田なのだが、この役をドラマで演じるのが香川照之。そして、いかにも裏がありそうなミツワ電器社長を人気落語家・立川談春が演じるというから、『半沢~』顔負けの濃いシーンが見られそうだ。

 一方、野球部にも波乱が起こる。頼みの綱であるエースピッチャーが肩を故障し、戦線離脱を余儀なくされるのだ。だが、そこに救世主が現れる。それは社内の野球大会で登板した派遣社員・沖原。野球部員でもない沖原が見せたのは息を呑むほどの高速シンカー。しかし、圧倒的な野球センスを持つ沖原には高校時代に暗い過去があり…と、こちらは人気ドラマ『ROOKIES』のような挫折から這い上がる沖原を中心に、熱い人間模様が繰り広げられる。ちなみに、この沖原を演じるのは、元プロ野球選手・工藤公康の長男である工藤阿須加。すでに放送前から「イケメンすぎる!」と評判を呼んでいるが、彼の活躍にも要注目だ。

 野球で一番おもしろいゲームスコアは、8対7。これはアメリカの大統領・ルーズヴェルトが語ったといわれているが、作中では青島製作所の会長が、社長の細川に向かってこんな話をする。

 「一点ずつ取り合うシーソーゲームもいいが、私としては点差を追いつき逆転するところに醍醐味を感じるんだ。(中略)絶望と歓喜は紙一重さ。まるで、なにかと同じだな」

 会社と野球部の、苦境からの逆転劇。“倍返し”の次は“大逆転”が流行語となるのか否か、大いに楽しみにしたい。