闘う女子の友情に落涙必至! 女子格闘マンガが熱い! 

マンガ

公開日:2014/4/29

 かわいすぎる格闘家として有名になったRENAや道花など、人気の女子格闘家は少なくない。そして、最近では人気RPG『アラド戦記』のPRキャラの座を決めるため、女子格闘家や芸人が、女子格闘家を育ててチャンピオンを目指す「ガチムチデスマッチ」が開催されている。何かと話題にことかかない女子格闘家だが、その女子格闘家を目指す女の子たちが登場するマンガが『ハナカク The Last Girl Standing』(松井勝法/徳間書店)だ。彼女たちは、なぜ格闘家を目指すのだろうか。

 格闘家と聞くと、強い人がなるものと思い込んでいるかもしれない。しかし、『ハナカク』の主人公は、中学まで園芸部に所属しており、身長も142cmしかない小柄な高校1年生・安藤花夏。空手や柔道、剣道、レスリングといった部活にも行ってみるのだが、すべて断られてしまう。そんな彼女が総合格闘技を始めた理由は「強くなりたい」から。中学時代、友達がいじめられているのを知っていながら何もできなかった彼女は、格闘技をやっている同級生の吉野小春に出会い、「格闘技って別に強い人だけのものじゃないしホントは誰にでもできて誰でも強くなれるためにある」と言われて格闘技に興味を持つ。そして、ジムでインストラクターをやっている鉾田龍子に、強くなる人の第一条件として「自分が弱いとわかってる人」をあげられる。その理由は「自分の弱さを認められる人は伸びるよだって強くなろうとするから」だそう。それを聞いた花夏は、強くなれるかなんてわからないけど、弱いままでいいとは思えなくて格闘技を始めるのだ。

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 一方、子どもの頃から空手と柔道をやっていたという小春が総合格闘技に目覚めたきっかけは、それを初めてテレビで見たとき。打、投、極が「全部一緒にできる」のを見て、「これだー」と思ったそう。それからはずっと総合1本だが、一番実践に近いこともあってやりがいがあるよう。練習すればするだけ強くなれるし、強くなったらさらに強い人と戦えることが、彼女を突き動かしているみたい。だから、強い人を見るとよだれが出るし、相手の強さによって、その量も変わるという。それほど、小春は格闘技が大好きなのだ。

 でも、女子格闘技を見ていると、女の子がボコボコに殴られ、蹴られて血も流しているのに、なぜ闘うことをやめないのかわからないと思う人も多いはず。花夏も、小春の額から血が流れているのを見て、思わず両手で顔を覆い、泣いてしまったほど。しかし、当の小春はドクターチェックで続行を認められると「やったぁーーーー!! ありがとうおじさん!」と喜ぶ。それは、「負けたくないから」。戦わなければいいと言われても、格闘技が好きな彼女たちにしてみれば、それは車好きに車に乗るな、映画好きに映画を観るなと言っているのと同じこと。勝てないかもしれない。無理かもしれない。苦しい。つらい。そう思っても、やめることだけはしたくないのだという。なぜなら「自分で諦めてしまったら本当の負け」になってしまうから。

 性格も力の強さも全然違う2人だが、「強くなりたい」という思いは同じ。そしてその思いが、彼女たちをより美しく見せるし、多くの人を惹きつけるのだろう。今後も、強く美しく成長していく彼女たちから目が離せない。

文=小里樹