【元・空き巣に聞いた防犯の心得】長期留守中、部屋のカーテンは開けておくべき? 閉めておくべき?

生活

公開日:2014/4/29

 いよいよゴールデンウィークへ突入した。今年は5月3日~6日にかけての4連休も重なり、国内や海外でのレジャー、実家への帰省などで長期にわたり遠方へ出かける人も多いだろう。しかし、この時期に気を付けるべきなのは、長期不在を狙う空き巣被害である。そこで今回は、『空き巣なう:プロの空き巣が「この道半世紀」を語る』(第三書館)の著者である田岡大介さんへインタビューを敢行。元・空き巣としての立場から、防犯上で気をつけるべきポイントなどを伺った。

 田岡さんが空き巣に手を染めはじめたのは、昭和53年である。その3年前にある罪状で収監されていた拘置所で、西日本では“空き巣の神様”として名が知られていたZさんと出会ったのがきっかけだった。「義理堅く人情味溢れていた」と語るZさんの人間性に惚れ込み、空き巣として毎日のように働いていた。数々の民家や会社、農家へと忍び込み、一時期は高級車を乗り回せるほどに生活していたという。しかし、平成16年、逃亡中に鉄橋からあやまって転落。辺りが薄暗かったため足を踏み外し、全治2カ月の重傷を負ったのをきっかけに足を洗い、78才となった今では交通警備などを重ねて暮らしている。

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 さて、それでは田岡さんへのインタビューを元に、空き巣被害を防ぐためのポイントを紹介していこう。

――空き巣にとって“忍び込みやすい”のはどういった家ですか?

田岡「外から見て、塀や垣根などの遮蔽物がある場所ですね。侵入してからも人の目に付きづらく、シゴトもしやすい。アパートやマンションでも、ベランダに観葉植物など置いてある家がありますけど、なるべくなら背の高いものは置かない方がいい。とにかく空き巣は“人の目にふれる”というのを怖がる。だから、窓のカーテンもできるかぎり開けておいた方がいいです」

――空き巣が狙うポイントはどこですか?

田岡「家の“裏側”ですね。玄関前などだけではなく、例えば、一軒家だと台所の勝手口などがある裏手は何にも対策されていなかったりするので狙います。あとは、マンションの高層階なども狙いやすい。安心しているのか窓に鍵がかけていないことも多いので、侵入しやすいです。だから、足場になるようなものをなるべく置かない方がいい」

――長期の休みにあたり、身近でできる防犯対策はありますか?

田岡「市販の防犯グッズ、例えば、侵入を感知したら音が鳴るセンサーやダミーの防犯カメラ、感知式のセンサーライトなどはやはりイヤですね。また、空き巣は“人の気配がある”ということには敏感です。例えば、車ではなくなるべく電車で移動して、留守だというのを意識させないようにする。また、昼間から晴れているのに洗濯物を干していないのも変なので、着古したシャツなどを雨が降ってもいいように干しておく。それから、テレビや音楽を多少音が漏れるくらいで付けておくというのもいいと思います」

 自分がもし現役の空き巣だったら「ゴールデンウィークはやはり狙う」と語る田岡さん。今すぐできる部分としては、なるべく人の目につきやすい環境を作り、音を出すなどして留守だというのを悟らせないのが効果的なようだ。電気代も気になるが、田岡さんは「数十円ケチるだけで、大きなもの持っていかれたらかなわんでしょ?」と語っていた。せっかくの休みなのに、帰宅して荒らされていたらショックは計り知れない。ぜひとも万全の対策を施した上で、出かけていただきたい。

文=カネコシュウヘイ