AV病、電マ依存症…って!? 誰も教えてくれないけど、元AV女優による本当は怖いエッチの話

暮らし

更新日:2016/12/19

 みなさんは、セックスのやり方についてどこで知っただろうか。誰かが教えてくれたのだろうか。多くの人がマンガやAV、セックスについて書かれたハウツー本などで知識を得たはずだ。しかし、3000人を超える男性経験を持つ元AV女優・竹下ななによると、そのなかには実践に当てはまらないことや間違った情報もたくさんあるそう。そこで、彼女が自身の経験をもとに書いた『セックスが危ない!』(竹下なな:著、アヌ鈴木:イラスト/三和出版)から、危険なセックスについて紹介してみよう。

 かつて大人の娯楽だったAVは、観る側もそれが演出だと理解できていた。しかし、今では視聴者が低年齢化し、経験も少ないので、それが教科書代わりになってしまっている。その結果、演出としての激しい愛撫や膣外射精が正しいものだと思い込んでいる人も少なくないよう。それに、AVにおけるSMプレイの普及によって、縛りなどの拘束プレイを実践する人も増えているようだが、これも正しい知識がないと相手にケガをさせてしまう可能性がある。吊るすなどのハードなプレイに知識が必要なのはもちろんだが、後ろ手に縛るときでも場合によっては危ないというのだ。この状態のまま正常位でセックスをすると、女性自身の体重だけでなく、男性の体重までもがこの手にかかってしまい、血流の流れを阻害することになる。このような状態では女性も痛みに耐えるばかりで、気持ちよくなれるはずがないのは当然だろう。しかし、男性主導になっているセックスでは、女性は嫌われたくなくて我慢してしまうことが多く、男性もその間違った知識を正す機会を逃してしまっている。これでは、セックス嫌いになる人がいるのも仕方がないかもしれない。

advertisement

 しかし、そんなセックス離れが進む一方で、増えているのがハードなひとりエッチ。女性の場合、気軽に購入できる電気マッサージ器(電マ)を使う人が多いそう。しかし、ローターなどの電池式とは違い、コードでつなげるタイプなのでとにかく強力。ハマりすぎると、その刺激でしかイケない電マ依存症になるので注意が必要だ。竹下にも一時期電マでしかイケないときがあったそうだが、その際に気持ちよくなりすぎて冷静な判断ができなくなり、電マを中に入れて抜けなくなったことがあるという。こんなことでケガをしたり、救急車を呼ぶ羽目になったらたまらない。本来とは違う用途で使っているだけでも危険なのに、気持ちよさや興味本位でチャレンジするには危険すぎることもあるので、ひとりエッチとはいえ、ハードさを求めすぎるのも考えものだ。

 そして、妊娠を望まない場合は避妊が大切なことについては、いろんな本でも語られているだろうが、意外と忘れがちなのが衛生面の問題。爪を短く切ったり、指や陰部をきれいに洗うことはもちろん、体が触れるシーツやタオルも清潔に保つよう、日頃から気をつけておくべきなのだ。おもちゃを使う際にも、テーブルや椅子に倒して置くのではなく、必ずコンドームを被せて雑菌が入るのを防ぐ必要があるという。また、アナルプレイならコンドームを着ける必要がないと思っている人もいるかもしれないが、腸管には大量の雑菌が存在しているので、病気になる可能性はむしろこちらのほうが高いそう。アナルを舐めるだけでも病気になる可能性はあるというから、セックスをする前には必ずシャワーを浴び、避妊だけのためだけでなく、病気対策のためにも、やはりきちんとコンドームをつけることが重要なのだ。

 セックスは、学校も親も誰も教えてくれない。だから、自ら興味をもって、正しいのはどれで、気持ちいいのは何か、自分で学ぶしかない。そしてひとりではできないものだから、相手と2人で考えていく必要があるという。何も恥ずかしいことではないし、自分や相手を守るためにも、ひとりひとりが正しい知識を得ようとすることは大切なのではないだろうか。

文=小里樹