ええっ! 「呪いの消し方」が密かに話題ってホント…?

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公開日:2014/6/18

 “呪い”について書かれたシリーズ本が、密かにヒットしているという。

 新聞の書籍広告欄に高らかに躍る「誰だって、みんな呪いを抱えている」「明るく朗らかに呪い消し!」という“ホンマかいな!?”なキャッチコピーにつられて、思わず手にとってしまった『呪いの消し方 いつも笑顔で過ごせる作法』(川井春水/三五館)。

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 著者は、40年近くも密教修業に励み、あのFBIに捜査協力して難事件を解決に導いた実績をもつ魂伝師(開運アドバイザー)の、川井春水(しゅんすい)氏。累計20万部突破のベストセラー、“呪い”シリーズの最新作がこの本だ。

 今どき、そんなにも呪い解除のニーズがあるだなんて、コワイ世の中になったものだと思いきや、コンテンツをよくよく見ると「イヤな記憶やジンクスをまとめて捨てる」とあり、決して「誰かにかけられた呪いを解く」方法が書かれているわけではない様子。

 本書の冒頭を読むと、「今日はよく信号にひっかかる」「なぜだか、やたらと上司に怒られる」など、誰にでも起こりがちな「なぜかツイていない日(とき)」を“呪い”と定義し、ぼんやり感じるイヤな予感は“呪いの予兆”であり、そんな呪いを寄せ付けないための「作法」や「おまじない」=“消し方”を伝授してくれるとのこと。「いや、そんなの単なる迷信でしょう」と、疑らずに、呪いの消し方をひもといてみよう。

■名前の読み方を間違えられた!

 春水氏によると、自分の名前はとても大切で、身を守る“最強の呪文”ともいえる力が込められている。それほどまでに大切な名前を読み間違えられたら、「まっ、いっか…」と流してはいけない。迷わず、臆せず、正しい読み方をはっきり相手に伝えることを避けてはならないという。

 人の五感が聴覚から発達するように、耳から入る音の響きの影響には、とても大きなものがある。相手の耳にも自分の耳にも、正しい名前の音が入って初めて、よい気も一緒に流れてくる。あだやおろそかにしてはならないのだ。

 ちなみに筆者の場合、名刺交換したあとのメールで、さっそく読み間違い(打ち間違い)をされることが少なくない。これからは対面ではもちろん、メールであっても、キッパリ訂正することを実践したいと思う。

■イヤな予感がする相手と会う前にしておくこと

 「○○さんと仕事をすると、いつも途中で何かトラブる」「○○先輩と飲んだら、からまれそうな予感大!」など、自分の中でイヤな印象とセットになっている相手がいる場合。その相手と会う前に、次のようなイメージを浮かべてみるとよいそうだ。

 1)流れる水を両手いっぱいに受け止めるイメージをつくる。次にそれをこぼさないように、苦手な相手のところへ運ぶ様子を思い浮かべる。
2)潤いの水を相手の両手に注ぎ終えたら、蓮のつぼみのような形になっている自分の両手を、そっと合わせて合掌する。
3)次に、手のつぼみを左右に開き、真ん中にちいさな仏様が座っていらっしゃる光景を思い浮かべる。一緒に自分の心も開いていくと、苦手な相手が消えていくという。

 そしていざ相手に会ったら、さりげなく合掌するか、難しければ右手で握手。私たちの体の末端からは気が出ているため、相手に自分の“よい気”を伝えることができるのだという。

 「マジか…」と懐疑的になるべからず。私たちの脳は、考えたことや想像したことに反応して、それを実際に具現化しようとする仕組みをもっている。どうしても苦手な人と、どうしても会わなければならない予定ができたとき、心を無にして、試してみてはいかがだろうか。

■おみくじが凶、朝の占いが最下位だった!

 正直、そんな結果が出たら、すかさずもう一度引きたくなったり、見なかったことにしたくなるのが人情。しかし、おみくじも占いも、しょせんは他者が決めた他人の価値観にすぎない。ゆえに結果を気に病むことはないのだという。むしろ「今日は注意したほうがいい」と教えてもらったことに感謝したほうがよいとのこと。お礼の気持ちで受け止めれば、不思議と運気の上がる日になるそうだ。

 そのほか「幸運を呼び寄せるメールの作法」など、いい運気を自分でつくり出す方法や、「北(先祖の座)にはハサミを向けない」など、昔からの言い伝えが大切である理由、「靴を脱いだら必ず下駄箱に」のような、家族を守る風水的なものも紹介されている。

 読みすすむうちに、昔からの言い伝えを守り、ご先祖様への感謝を忘れず、人さまへの礼儀を欠かさず、縁起もかつぐ。そんな古来から日本に伝わってきた作法や習慣を、ごくあたり前に守ることが“呪い”から身を守ってくれるのだということに気づく。

 本書のあとがきには、再び名前について書かれたくだりがある。

 「何か、心に引っかかるものがある」と感じたときは、自分と、自分を生んでくれた両親、最も近いご先祖さまである父方母方の祖父母の名前を、フルネームでそれぞれ3回ずつ、軽く手を合わせながら唱えるとよいという。必ず心が晴れ、自分が守られていることを実感できるそうだ。さて、あなたは間違えずに、すらっと言うことができただろうか。

文=タニハタマユミ