【第15回】「くるり」も参加――noteがつなぐ クリエイターとファンの新しい関係(後編)

更新日:2014/7/9

 定額購読型電子マガジンcakesを展開しているピースオブケイクが、新しくnoteというサービスをはじめ、人気を博しています。電子書籍とはまた異なるコンテンツが生まれ、それを販売し、ファンとの交流も図れる場。前編に続き、アーティストの「くるり」も参加した背景など詳しくお話しを伺いました。

<<前編を読む

くるり」もnoteに参加!

――本作りも、note上で行うことで、打ち合わせや、細切れな原稿といった小さなコンテンツが、読者とのつながりを作ってくれるというわけでしょうか。

advertisement

加藤:そうです。音楽であれば、音声ノートに10曲楽曲を入れればアルバムみたいになっちゃいますからね。

――そうですよね。制作日誌とか、他のライターさんのライナーノーツみたいなのもマガジンでまとめることができる。

加藤:テキストノートに書いて投稿すればOKなわけです。さらにいえば、クラウドファンディング的に使うこともできるんですよ。「こういう作品をこれからここで作って行くので、そのためのおカネをください!」という具合に。こういうテーマの本を書くから、その過程も楽しみたい人は、先に3000円ください、というのでも構いません(笑)。

――(笑)。

加藤:実際、堀江さんの『ゼロ』あるいは『統計学は最強の学問である』もそうでしたからね。場所はcakesでしたが、いずれにせよ書くんだったら少しずつおカネを頂きながら連載という形をとろうよ、と。その過程をオープンにすることで、告知にもなり、読者とのつながりも生まれるわけですから。

――最近「1000人のファン」を得て、それで食べていく、という話を聞きますが、noteではそういったことが可能になると。

加藤:1000人のファンがいて、こういう連載をnoteの「マガジン」でやります、つきましては、この連載が終わるまでの半年間、月500円くださいと。そしたら、月々50万円の収入が生まれる訳ですからね。そしたら、そのおカネから編集さんについてもらうための費用を捻出することだってできるじゃないですか。

――最近、音楽の世界でもそういった議論もありますね。

加藤:1万人のファンがいれば、レコード会社と一緒にnoteを活用して作品を作り、販売に繋げていくことだってできるんです。ファンから仮に月300円、ファンクラブの会費のように頂いていれば、月に300万円ですからね。それを原資にそのノウハウがあるレコード会社と一緒にCDを作ることだって可能です。

 そこで、「くるり」がね、公式ファンクラブをここに、という話になったわけです。

ファンとクリエイターがつながるnote