「優木かな」声優インタビュー&撮り下ろしグラビア【声優図鑑】

アニメ

更新日:2015/7/8

優木かな

これからの活躍が期待される声優に、声優を目指したきっかけや、初めてのお仕事、そしてプライベートなことまで、気になるあれこれについてインタビューを行い、さらに撮り下ろしのミニグラビアも交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。

第23回となる今回は、『精霊使いの剣舞』のリンスレット・ローレンフロスト役などを演じる優木かなさんです。

――それではまず、優木さんが声優を目指したきっかけを教えてください!

優木:はい!実はちゃんとしたきっかけは覚えてはいないんですけど、小学校の卒業文集に「声優になりたい」って書いてあったんですよ。私、子供の頃からあまのじゃくで、人に褒められると「別にそんなことないし!」って言い返すような子供で。二次元ではかわいいけど、三次元ではやっかいなタイプですよね(笑)。でも、なぜか声のことを褒められると、嬉しい! って素直に受け止められたんです。もしかしたら、それで声優になりたいと思ったんじゃないかな。その頃からアニメも好きでしたし。

――その後、小学校を卒業して…。

優木:中学に進んでからは、本格的にオタクになりました。友達と好きな作品について熱く語ったり、絵を描いたり。今思えばすごくあからさまなオタクでした(笑)。

――では、高校になると…?

優木:さらにオタク度が増していきましたね。今度はゲームにはまってしまって。放課後はゲームセンターに行って暗くなるまでゲームをしていました。しかも毎日です。

――毎日!?

優木:はい。この頃、日記をつけていたから数えてみたんですよ。そしたら、500日くらい連続で通っていました(笑)。ちょっと寄っただけとかも含まれますけど、大晦日も元旦もクリスマスも。地元のゲームセンターで、音ゲーをメインに遊んでましたね。あ、ちゃんと勉強もしてましたよ?(笑)


――地元のゲームセンターが「庭」みたいな感じ?

優木:そうです! 行きつけのことをホームっていうんですけど、店員のおじいちゃんと仲良くなったりして本当にアットホームな場所でした。

――その後、いよいよ声優の道に?

優木:そうですね。オタク街道を突っ走っているうちも、高校を卒業したら声優になりたいと思っていました。ところが、あるとき歌手もしくは声優を目指すオーディションを受けまして、審査してくださった方に「声優は無理だよ」と言われてしまったんです。歌は褒められたので、個人的にボイトレをして歌ってはいたんですけど、声優は半ば諦めていました。だけどしばらくして、声優の夢を叶えるためにちゃんと努力していなかったことに気づいたんです。ちゃんと勉強して本当に才能がなかったらあきらめよう、と思って日ナレ(日本ナレーション演技研究所)に通い始めました。

――声優として、初めてお仕事をしたのは?

優木:あるゲームに出演しました。オーディションを受けていなかったので、決まったときはただただびっくりして。家に帰ってからキャラクターの絵を見ていたら、ようやく「私はこの子を演じるんだ」って嬉しさがこみ上げてきて。「私、声優になれたんだ」って思わず泣いちゃいました。


――『精霊使いの剣舞』の出演は、TVアニメで初のレギュラーですね。改めて、リンスレット・ローレンフロストのキャラ紹介をお願いできますか?

優木:リンスレットは、高飛車なお嬢様なんですが、本当は面倒見のいい優しい女の子ですね。「にーそっくすす」のメンバーは誰も認めてくれないんですけど、自分とちょっとだけ似てると思うんですよ。素直になれないところとか。原作を読んで一番好きだなって思ったキャラでもあり、オーディションもリンスレットだけを受けたんです。

――どうして他のメンバーは認めてくれないんでしょうか(笑)。

優木:他のメンバー曰く、私とリンスレットの共通点は「髪が長い」ということだけだそうですよ (笑)。

――リンスレット役だけに賭けたオーディションに受かって、嬉しかったでしょうね。

優木:はい。オーディションでいただいた役が初めてだったこともあって、報告を受けたときは本当に嬉しくて。実は、なかなかオーディションに受からず、正直やめたほうがいいんじゃないかって悩んでいたときだったんです。受かったとマネージャーさんから聞いたときは、何を言われているのかわからなくて(笑)。でも、帰りの電車のなかで泣いちゃいました。私、泣いてばっかりですね(笑)。

――はい(笑)。でも、いつも隠れて泣いていますね(笑)。

優木:人前だと喜び泣きは恥ずかしいですね(笑)。でも、怒られるとマネージャーさんの前でもすぐ泣きます(笑)。この前も「泣くなよ~」って言われました(笑)。


――ちなみに、「にーそっくすす」の楽曲の中で優木さんがいちばん好きな曲は?

優木:やっぱり最初にレコーディングをした『祝祭のエレメンタリア』は思い入れが強いですね。初めてみんなでダンスを練習して、初めて人前で披露した曲なので。リンスレット役が決まったときの感動を思い出して、今でも聴くと胸がキュンとします。

――好きな歌詞はありますか?

優木:好きな歌詞となると、エンディングテーマの『精霊剣舞祭<ブレイドダンス>』で好きなフレーズがあります。「『信じたままゆく』って 覚悟固めた氷の矢」という部分です。リンスレットちゃんは別名〈氷魔のリンスレット〉と呼ばれていまして。私、悩んでいた時期もあったけど、リンスレットちゃんに出会えたのをきっかけに、このまま迷わないで声優の道を進んでいくぞって思えたんです。この歌詞を歌うと、とても大切な出会いだったことを実感します。

――じゃあ次は、優木さんご自身のこともお伺いしたいのですが。

優木:じゃあ、麻雀の話をしてもいいですか?

――麻雀! どんなきっかけで出会ったのでしょうか?

優木:麻雀のアニメをたまたま見たことがきっかけですね。麻雀はよく知らなかったんですけど、「リーチ!」みたいな麻雀用語がすごくカッコ良く聴こえたんですよ。意味わからない! でもかっこいい! って中二病心がすごくくすぐられて(笑)。私も「リーチ!」って言ってみたい! って(笑)。それからオンライン麻雀をとりあえずダウンロードして、ルールもわからずぽちぽち遊んで、3ヶ月くらいかけて覚えました。知り合いに女流プロがいたので、実際にパイを触らせてもらってすぐにハマり、安物の麻雀セットを買って(笑)。部屋でよく「ひとり麻雀」をやっています(笑)。


――麻雀も、ゲームと言えばゲームですよね。

優木:そうですね。基本的にやっぱりゲームが大好きなんだと思います。一時期はオンラインゲームにハマっていて、『ファンタジーアース ゼロ』とか『ファンタシースターオンライン2』とか『レッドストーン』とか、色々プレイしてました。リアルの友達から「これからご飯食べに行く?」って誘われると、「ごめん、仲間が私を待ってるから…」って断っていた頃もありました(笑)。「おまえ、バカだな」って言われてましたけど(笑)。

――最近いちばんハマッているゲームは?

優木:最近、知り合い同士でテーブルゲーム部を作ったんですよ。トランプとかUNOとか、アナログゲームならなんでも遊ぶ部なんですけど。最初は2~3人だったのが、今は30人くらいになりまして。休みの日はみんなでゲームしよう! みたいな(笑)。この前も大勢集まって、某公園で午前中から終電まで“野外人狼”をしたんです! ビニールシートを敷いて (笑)。人狼はテーブル“トーク”RPGなので、先輩声優さんはやっぱりお上手です (笑)。

――ところで、憧れている声優さんはいらっしゃいますか?

優木:はい、たくさんいらっしゃいます。まずは、事務所の先輩の堀江由衣さん。声優としても、ひとりの人間としても尊敬しています。それから、早見沙織さん。早見さんのお人柄と演技がとにかく好きです。そして恩師でもある沢木郁也さん。養成所で2年間講師をしていただき、私という道を作ってくださった方です。沢木さんがいらっしゃらなかったら、今の私はいません。沢木さんの演技が、私のなかに少しでも混ざってたら嬉しいなあ。


――沢木さんに教わって、いちばん心に残っていることは?

優木:ずっと「魅力がない」って言われ続けていたんです。お芝居ができたとしても、人を唸らせるような一瞬の魅力を出せないといけない。人はそういうところに惚れるんだ、惚れさせないと駄目なんだっておっしゃって。そして、2年間通って初めて褒めていただけた時は泣くほど嬉しかったです。

――では最後に、これからどんな声優を目指していきたいのかを教えてください。

優木:リンスレット役で声優としての第一歩を踏み出すことができたと感じています。今後はいろんな役を演じてみたいですし、いろんなジャンルにも挑戦していきたいです。私の生涯の夢は、一生を終えるときに後悔しないことなんです。たとえ今が辛くても、いつかやって良かったと思えることを積み上げていきたいと思っています。ひとつひとつはダメかもしれないけど、その経験があるから今の自分がいる、それがあったからいい人生だったって言える人になりたい。でも、すごくリアルな夢を言うと、ソロでイベントをやりたいです(笑)!

握手会でもサイン会でもいいから、応援してくださる方とお話できる時間が欲しいんです。みなさんがいるから、私はここにいるんだってことをもっと実感したくて。今は、その機会を得るために頑張っています。


――ありがとうございました!

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

優木かな

・優木かな(ヴィムス)
http://www.vims.co.jp/talentprofile_detail.php?id=29

(取材・文=麻布たぬ、撮影=山本哲也、キャスティング協力=吉村尚紀)