借金や友達の数、初体験、アソコのサイズ、デート費など… 日本人の平均ってどれくらい?

暮らし

更新日:2014/9/3

 「朝、目覚めて13分後に布団を出、2分くらい歯を磨き朝食を食べて、1時間10分かけて会社に着く(通勤途中はものを読むか寝てるかだ)。7時間半働いたあと2時間くらいのサービス残業。帰り道は2日に1回ほどコンビニで500円くらいの買い物をし、帰宅後は30分以内の入浴中もスマホを手放さない。娘は9歳を前に一緒に入浴してくれなくなった。風呂から出たらニュースを中心に3時間48分テレビを見て、7時間49分の眠りで疲労を回復する。なにせ熱が37.94℃以上ないと会社を休む気になれないのだ」

 『図解・日本人の平均』(統計・確率研究会/メディアファクトリー新書)によれば、これが平均的日本人だそうだ。

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 同書では、官公庁や企業が、平均を割り出すために実施した様々な統計・アンケート結果を、「体」「財布」「冠婚葬祭」「食」「生活」という5つのテーマに分け、経済活動から個人の趣味志向に到るまで、日本人のあらゆる平均を計125項目取りあげている。

 冒頭文章は本文に掲載されたデータから構成されたものだが、他にも寿命、体格、貯金と借金、友だちの数、初体験の時期といったものから、男性器サイズやデート費、回転寿司の皿数など、よく聞くデータからマニアックなものまで、調査結果を駆使して「いまの日本人のありよう」を明かそうとする試みが興味深い。

 最近では、ゆとりだのさとりだの世代論が様々なところで語られているが、下手に細分化して分析しても、世代間に余計な軋轢を生むだけの場合も多い。それより“日本人の平均”を統計データからざっくり見たほうが意外な発見もあり、「お、これは平均より上だな。よしよし」などとほくそ笑みながら読み進めていくうちに、自然と「自分の形」も浮かび上がってくるのだ。

 同書で紹介している調査項目のひとつに、「自分自身いくらの値段をつけるか」(アサツー・ディ・ケイ調べ)というものがあり、この質問に2011年の日本人は「1億2151万円」と回答したそうだ。これは前回実施(2006年)より6200万円も安くなっており、この5年間に起きたリーマン・ショックや東日本大震災などの影響で日本人が自身を喪失したのかもしれないと同書では推測しているが、それよりも、こんな突拍子もない質問に対し、きっちり生涯賃金ベースで回答しているところに日本人らしい生真面目さを感じる。同じ質問をアメリカ人にしたら、もっととんでもない高額の回答が返ってきそうだ。

 平均値は単なる統計データで、その数字自身に一喜一憂するのはバカげている。ただ、数字は意外に私たちの「気分」や「未来」を物語ってもいるので、たまには、こんな形で一気に見て、自分の生活を振り返ってみてもよいかもしれない。