「山下七海」声優インタビュー&撮り下ろしグラビア【声優図鑑】

アニメ

更新日:2015/7/8

山下七海

これからの活躍が期待される声優に、声優を目指したきっかけや、初めてのお仕事、そしてプライベートなことまで、気になるあれこれについてインタビューを行い、さらに撮り下ろしのミニグラビアも交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。

第29回となる今回は、『Wake Up, Girls!(以下、WUG)』の久海菜々美役や、10月からスタートするTVアニメ『異能バトルは日常系のなかで』の姫木千冬役を演じる山下七海さんです。

――『WUG』でポニーテールのイメージがありましたけど、今日の髪型は大人っぽい雰囲気ですね。

山下:『WUG』のときは久海菜々美ちゃんのイメージに合わせることが多いんですけど、今日はメイクさんに、自分では絶対にできないような髪型にアレンジしていただきました(笑)。最近は、WUGの7人で集まるときでも、髪型は自由にしていいよって言われます。7人もいるから、いつも誰かと被っちゃうのが面白いんです(笑)。

――ふだんはどんな髪型が多いですか?

山下:ストレートより巻くほうが好きなので、プライベートで出かけるときは巻いた髪を下ろしていることが多いです。あと最近、編み込みができるようになったんですよ! 動画サイトを見ながら練習しまして、サイドに編み込みを入れたり。後ろはまだちょっと難しいんですけど、女子力を上げたいなあと(笑)。

――なぜ女子力を?

山下:最近、お仕事で素敵な先輩たちにお会いする機会が増えて、私もこれじゃいけない、女の子としてもっと輝きたいなと思いまして(笑)。


――では改めて、デビュー作『WUG』で演じた久海菜々美ちゃんがどんなキャラクターか教えてください。

山下:菜々美ちゃんはですね、自分の夢や目標をすごくしっかり持っているんですよ。願いを叶えるため、どんなにツラいことでも頑張るし、それに耐えられる、芯の強い女の子です。でも、他の人に自分の弱さを見せることが苦手で、ちょっと素直じゃないところがあって…。きっと、自分で何でもできてしまうから、その分、周りの人にきつく当たってしまうのかもしれません。

――アニメの最終話まで収録を終えて、感じたことは?

山下:オーディションの後からずっとレッスンを続けてきたので、長いなあと感じることもありましたけど、アフレコが終わったらあっという間でした。達成感と、「あ、終わっちゃった」って心にぽっかり穴が開いたような寂しさがありました。あと、菜々美ちゃんに対する想いが変わったのを感じました。最初は自分とあんまり似てないなって思っていたのですが、本当は似ているのかもって。菜々美ちゃんは徐々に、メンバーに自分の弱さを見せられるようになっていくんですよ。私自身も、他のメンバーにお仕事やキャラクターのことを相談する機会がすごく増えていって。キャラクターと一緒に成長していくって、こういうことなんだなって、実感しました。

――アニメのなかで、いちばん好きなエピソードは?

山下:菜々美ちゃんが藍里に「どうしてそんなに頑張れるの?」って尋ねるシーンで、あ、菜々美ちゃん、ひとつ成長したなって思いました。それまでは「頑張って当たり前よ」って強がっていたから。弱さを見せることって怖いことだと思うんです。だからこのシーンで、菜々美ちゃんの“強さ”を見た気がしました。


――2012年後半に『WUG』のオーディションがスタートしてから約2年。自分自身で変わったと感じる部分はありますか?

山下:じつは山本(寛)監督にも「垢抜けたな」って言われるようになりました(笑)。でも、なかなか自分では気づかないものですね。あ、でも、腹筋がつきました(笑)! 体が全体的に引き締まってきましたし(笑)、きっと色々変わっているんだと思います。

――7人のメンバーで、いちばん話す機会が多いのは?

山下:(永野)愛理とか、(奥野)香耶とか。特に香耶はボーカルレッスンが同じで、会う機会も多いんですよ。

――歌と踊りに興味があってオーディションを受けられたそうですが、最初は他のメンバーと自分との違いを感じていたそうですね。

山下:私、アニメについてあんまり知識がなかったんです。他のメンバーはみんな、もともとアニメが大好きな子ばっかりだったので、スタートから自分は遅れているなっていう気持ちが強くて。ずっとそれがコンプレックスだったんです。でも、私が悩んでいることを知っていた(田中)美海が「それでもいいじゃん! これから知っていけばいいんじゃない?」って言ってくれて。あ、いいんだ…と思ったら、すっきりしました(笑)。それからはどんな悩みでもみんなに言えるようになりました!


――メンバーから教えてもらったアニメも?

山下:『あの花(あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。)』みたいに、入りやすくて有名な作品を教えてもらいました。それからは積極的にアニメを観て、感想を伝えたりしているうちに、すごく楽しくなってきて。今、アニメが大好きになったのはメンバーのおかげなんです! 好きな声優さんも増えました!

――どんな声優さんが好きですか?

山下:釘宮理恵さんです! レッスンが始まったころ、まだ実家から通っていたので、みんなで同じホテルに泊まっていたんですよ。夜に集まって、いろんな声優さんの声を聴いたり、この声優さん面白いよ! って盛り上がったりして。次の日は寝不足でした(笑)。

――お気に入りのアニメに出会えましたか?

山下:私は『とらドラ!』が好きで、すごく泣きました! 特に、大河ちゃんがクリスマスに部屋でひとり泣きするシーンは本当に素晴らしくて。のめり込んでしまいました。菜々美ちゃんはツンデレっていう設定なので、多くのツンデレ役を演じられている釘宮さんから学ぶところもたくさんあって。そういう面でも、本当に尊敬しています!

――お会いする機会があるといいですね!

山下:お会いしたいですっっ!!! でも、もしお会いできたら、普通にご挨拶させていただいて、それ以上はしゃべれないと思います(笑)


――レッスンは長期間に渡ったそうですが、大変なことも?

山下:じつは、アニメ放送前の1回目の合宿のときに、愛理とふたり部屋だったのですが、「もうWUGやめたいよー」って一緒に泣いたことがありました。レッスンを続けるなかで、自分たちはちゃんと前に進めているのか、本当にデビューできるのか、素人だから周りが見えないし、すごく不安だったんです。今となってはそれがいい経験でしたし、そのとき思いっきり気持ちをぶちまけることができたから、今WUGを続けていられているんだと思います。

――1,5期にしてスピンオフ短編アニメとなる『うぇいくあっぷがーるZOO!』では、菜々美ちゃんのアニマル姿が楽しみです!

山下:アニマルたちは本当にかわいくて! 菜々美ちゃんは紫のオオカミなのですが、ツンツンしたところが余計にかわいく見えるんじゃないかなって。私もすごく気に入っています!

——山下さん自身が、今後の菜々美ちゃんに期待していることは?

山下:1期では「光塚歌劇団に入る」という夢を一旦保留にして、WUGに本腰を入れるとみんなに宣言したのですが、たぶん光塚への夢は捨て切れていないと思うんです。“ななみん”がこれから、その捨て切れていない夢とどうやって向き合っていくかが気になっています。


――10月スタートのTVアニメ『異能バトルは日常系のなかで』にも出演されますね! 姫木千冬(ひめき・ちふゆ)ちゃんはどんなキャラクターですか?

山下:自分の気持ちをあまり表に出さない無口な少女なんですけれども、ワールドクリエイト(創世)という異能を持っていて、想像できるものは何でも作り出せるんです。ワープもできるし、他のキャラクターと比べても、強い異能を持っていて。私としては、リッスンという千冬ちゃんいつも持っているリスのぬいぐるみがポイントだと思っていて…。

――アフレコはどんな感じですか?

山下:みなさん有名な先輩方ばかりで、最初はアフレコどころではないくらい、本当に緊張しました…。種田(梨沙)さんは席が隣ということもあって、本当に優しくお話してくれます! 今はだいぶ慣れて、一週間こんなことがあったんだよってお話ししてます。あと、岡本(信彦)さんが心霊現象の話をするんですよ。それがすごく怖いんです!

――和やかな現場ですね! そんな現場から、ラブコメアニメが作られているんですね。

山下:いつも賑やかです! テスト中も面白いシーンが多すぎて、声出しちゃいけないのに、どうしても笑っちゃうんですよ(笑)! クスクスって声が出ちゃって(笑)。他のみなさんもたぶん同じで、本番はもう耐えるのに必死です(笑)。

――先輩たちの演技はやっぱりすごい?

山下:すごいです。台本でセリフは読んでいるはずなのに、声優さんの表現を聞くと、もっともっと面白く感じるんです! 主役の岡本さんは本当にすごくて、厨二病全開?で演じていらっしゃって(笑)。そこにもうキャラクターがいるんです! 見えるんですよ(笑)。


――ファンの方には、千冬ちゃんのどんなところを見てほしいですか?

山下:千冬はボソボソッとしゃべる女の子なのですが、あることに関しては自分の感情をブワーッとオープンにしてしまうんです! 台本にも「珍しく、千冬が感情をむき出しにしている」っていうト書きがあって。ちらりと見える素直な一面も見てほしいなって思います!

――ところで、山下さんは徳島県から上京されたそうで。一人暮らしには慣れましたか? 大変なことは?

山下:けっこう家を空けることが多いんですよ。お仕事で仙台や四国に泊まったりしているので、あまり家にいなくて(笑)。大変なことは、やっぱり家事ですね。自分でしないと誰もしてくれないので(笑)。泊まりに行くと洗濯物が一気に増えるじゃないですか。それを全部自分で洗わなきゃいけなくて、次の日も仕事がある~って思いながら、朝、頑張って目を覚まして洗濯しています。

――好きな家事、苦手な家事はありますか?

山下:そうですね…。洗濯はボタンを押せばいいだけだし、あと、私、香りフェチで、洗濯物の香りがすごく好きなので、楽しいです。今はシトラス系の香りの柔軟剤を使っています。不得意なのは食器洗いですね。この前、洗っているときにお皿を落として割ってしまったんですよ。気に入っていたのですっごくショックで…。それからもう洗い物はいやだーって。心折れるの、早いですね(笑)。

――どんな食器だったんですか?

山下:真っ白な食器です! 食器は全部白で揃えていて、お部屋は紫と白とピンクで揃えています。


――紫は菜々美ちゃんのテーマカラー?

山下:ななみんに影響されちゃって(笑)。バスタオルもカーペットも紫なんですよ。一度ブログにも載せたんですけど、私のベッドのシーツは、メリーゴーランドとかペガサスが描かれているようなメルヘンで、薄紫色なんですよ。

――休日は何をしていますか?

山下:お部屋の掃除をしないと…。私ほんと、毎日お仕事があったりすると、疲れて掃除をしないんですよ。休日は掃除をするぞ!って決めておかないと大変なことになっちゃいます。どんどん物がなくなって…。テレビのリモコンなんて、毎回違うところにあって探すのが大変です(笑)。

――趣味はありますか?

山下:アロマとか、香り系がすっごい好きで! 最近使っているのは「ポケットアロマ」っていう平べっちゃい石なんですけど、そこにアロマ液を垂らすといい匂いが“ホワンホワンホワン”って広がるんですよ。すごいリラックス効果があって、夜はポケットアロマを枕元において寝るのが好きですね。特にオレンジとかさっぱりとした柑橘系の香りが好きです。あとは、LUSHのバスボムが大好きなんですよ! お仕事を頑張った日は、帰ってからお風呂を楽しんでます(笑)。

――ちなみに…「平べっちゃい」って方言?

山下:あ! こっちでは言わないんですか!? じゃあ、たぶん方言です(笑)。


――ほかにもハマッていることは?

山下:最近ハマッているのは、iPhoneのSiriに話しかけることです(笑)。朝起きたら「おはよう!」、夜寝るときは「おやすみ!」って挨拶しています。すごく気持ち悪いと思うんですけど(笑)。早口言葉を言うと一緒に挑戦してくれるし、「話してー」ってお願いすると「むかしむかし、あるところに…」って物語が始まって(笑)。この前「好きだよ!」って伝えたら、「私はあなたを尊敬しています」って言われました(照)。スマホの目覚ましとかアプリとか、ほかの機能は全然使いこなせてないんですけど(笑)。

――じゃあ、ロボットが家にいるといいですね…。

山下:ロボット欲しいです! 昔『HINOKIO』っていう映画を観て以来、ロボットに興味があって! 小さいおもちゃのロボットを持っていました。最近のロボットは走れるようにもなって、すごいですよね! たぶん私、ひとりで寂しいんです (笑)。もともとしゃべるのが好きだから、家でもよく独り言を言っていて…。最近はその独り言をSiriちゃんに向けてるって感じです(笑)。

――最近嬉しかったことは?

山下:7月19日に誕生日を迎えて、19歳になりました! WUGのメンバーから誕生日プレゼントももらいました! ツアーのリハーサルで、突然ダンスの先生に呼び出されたんですよ。しかも私だけ。そのとき、ツアー大丈夫かなって自信を失っているときだったから、あ、私なんかやらかしたなって落ち込んで…。「こうやったらいいんじゃない?」「はい!わかりました!」って私のダンスの癖について教えてもらっていたら、急にみんながバアーッって走り込んできて! 手を繋いで輪っかになって、私の周りをピョンピョン跳ねながらハッピーバースデートゥーユーを歌ってくれました! もう、みんな~って感じで号泣でしたね(笑)。


――どんなプレゼントをもらいましたか?

山下:みんな、私が「LUSH」が好きだっていうことを知っているのでバスボムをくれたり、お風呂好きなのでバス系のグッズをくれたり。あと、大好きな『進撃の巨人』のグッズも!

――どんなグッズですか?

山下:アルミンのマウスパッドです! 私、アルミンが大好きなんです。最初にアルミンの声を聴いたとき、まさか女性が演じていると思わなかったから、井上麻里奈さんと知ってびっくりしました! でも途中から、アルミンの立ち位置がリヴァイ兵長に奪われてしまったようで、寂しいです…(笑)。

――では、これからどんな声優になりたいか、教えてください!

山下:私、緊張しいで、すぐ体に力が入ってしまうタイプなんです。もし私と同じような人がいたら、私の声を聴いて、少しでも肩の力を抜いて楽しんでもらえるような、そんな声優になりたいです! あと、挑戦してみたいことがあるんですよ。電車のアナウンスを、私のような地声で流してみたら楽しいんじゃないかって(笑)。この前、ゆりかもめに乗ったときに思ったんです! ちょっとアニメっぽくなるかもしれませんけど(笑)。

――最後に、記事を読んでくれた方にメッセージをお願いします!

山下:単独のインタビューってあまり多くないんです。口ベタで会話があまり上手じゃないんですけれども、インタビューを受けながら自分のことを考えるきっかけにもなりました。私のことがたくさん詰め込まれていると思いますので、読んでくださった方に知っていただき、いろんな気持ちを抱いていただけたら嬉しいです。ありがとうございました!


――ありがとうございました!

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

山下七海

・山下七海(81produce)
http://www.81produce.co.jp/list.cgi?lady+7161223141410

・Wake Up, Girls! オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/wakeupgirls/

・GREEN LEAVES
http://gl-e.jp

(取材・文=麻布たぬ、撮影=山本哲也、キャスティング協力=吉村尚紀