関ジャニ∞丸山隆平が主演で話題の『地獄先生ぬ~べ~』って、どんなマンガ?

テレビ

公開日:2014/9/15

 先日、とある衝撃的なニュースが流れた。なんとあの『地獄先生ぬ~べ~』が10月から実写ドラマ化されるというのだ! 関ジャニ∞の丸山隆平さんが主演を務めるほか、速水もこみちさんや桐谷美玲さんら人気の俳優陣が揃うなんて…。まあ、キャストについては原作ファンの間でいろいろと論争が繰り広げられているようだが、原作をどこまで再現してくれるのか、いちファンとしては楽しみでならない! あー早く観たい!!…と、ここまで読んで、ポカーンとなっている人もいたりしますかね。すみません。

 『地獄先生ぬ~べ~』(真倉 翔:原作、岡野 剛:漫画/集英社)とは、90年代に週刊少年ジャンプ誌上で連載されていたマンガだ。主人公は、自らの左手に「鬼の力」を封印している小学校教師の「ぬ~べ~」こと、鵺野鳴介。このぬ~べ~が、「鬼の手」を使い、愛する生徒たちを守るため妖怪たちを退治していくさまを描いている。

advertisement

 そんなぬ~べ~が愛する生徒たちの顔ぶれは、実にさまざまだ。あまり勉強はできないが友情に厚い熱血漢の広、男まさりで勝ち気な郷子、泣き虫で甘えん坊のまこと、巨乳でお調子者の美樹、クールで不良ぶった克也…。いずれも読者に「自分のまわりにもいそう!」という印象を与え、それぞれが「身近にいそうな存在」という記号としての役割を十分に果たし、物語に幅をもたらしている。

 当時の(現在も、かもしれないが)ジャンプマンガといえば、「友情・努力・勝利」をコンセプトにしたものが主流だった。もちろん、「ぬ~べ~」もその例に漏れない。ただし、本作が他のマンガと一線を画すのは、王道のストーリーに、「ホラー」という軸を加え、さらに「ラブコメ・ギャグ・お色気」など、様々なエッセンスをミックスさせたところ。ともすれば、あらゆるジャンルのごった煮にもなってしまいそうだが、それらの要素をうまく調理し、他に類を見ないような作品に仕上げたのだ。

 特に印象的だったのは、「お色気」シーンの数々だ。妖怪に襲われると、結構な頻度で郷子や美樹の洋服が破け、時には、アブナイ部分を「ジャンプパイレーツ」(集英社の海賊ロゴ)のマークで隠すという自主規制シーンもあったほど。さらには、普段は引っ込み思案でおとなしい性格ののろちゃんという女の子が「お色気妖怪」に取り憑かれ、教室でストリップさながらのセクシーシーンを披露する、なんて話も…。当時の小学生にはなかなか刺激的。お母さんの目を気にしながらページをめくった、という読者も少なくないはず(ぼくも含め)。

 かと思えば、本来のメインテーマである「ホラー」も忘れていない。テケテケや怪人A、ブキミちゃんなど、当時小学生の間で噂にのぼった妖怪たちが次々に登場した。そのあたり、きちんと「子どもたちがなにを怖がるか」をリサーチして、話に取り入れていたのだろう。しかも、時折、「見開きページ」を使って読者を驚かせようとしてくる。「赤いチャンチャンコ」の恐ろしい顔が見開き一面に描かれていた時は、思わずジャンプを投げ捨ててしまったほどで、当時の同級生もみな「怖かった…」と口を揃えていた。

 また、ぬ~べ~の因縁のライバルである妖狐の玉藻京介や、ぬ~べ~に恋をする雪女のゆきめなど、魅力的な大人のキャラクターが大勢いたのも、物語に奥行きを生んだ要因といえる。これにより、「生徒を守る教師」というワンパターンになりがちなストーリーがさまざまに枝分かれしていったのだ。当時の子どもたちにとってはわかりやすく、また大人が読んでもおもしろいマンガになっていた秘密は、こういったところにもあるのかもしれない。

 さて、ぬ~べ~の魅力を語り出したら、原稿が何枚あっても足りないので、本日はこのへんで。少しでも気になった方は、ドラマ放送が始まる前に、原作本をチェックしてみては? きっと、ぬ~べ~の魅力に取り憑かれるはず…!

文=前田レゴ