悲運の作家 佐藤泰志の遺作『海炭市叙景』がついに電子書籍になりました

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/28

昨年、熊切和嘉監督で映画化され、その後、立て続けに著作が文庫化されるなど、再評価されている佐藤泰志の遺作がついに電子書籍になりました。

電子化されたのは『海炭市叙景』という未完の連作短編集です。
函館市をモデルにした「海炭市」を舞台に、海に囲まれた北の町に生きる市井の人びとの日常を、落ち着いた筆致で描いています。それぞれに事情を抱える人びとの悲しみや喜び、希望と絶望が鮮やかに浮かんできます。

作家の没後、すべての作品が絶版になっていましたが、没後17年を経て全集が発売され、2010年秋には『海炭市叙景』が函館市民の主導により映画化(熊切和嘉監督・加瀬亮、谷村美月、小林薫、南果歩などが出演 DVD・ブルーレイが11月3日に発売されます)、その後も『海炭市叙景』『移動動物園』『そこのみにて光輝く』が次々と文庫化されるなどと再評価がなされています。
今回、電子書籍になったことでさらに気軽に手に取れるようになるのではないでしょうか。

■海炭市叙景/佐藤泰志/小学館(BooKLive!)

 ■海炭市叙景/佐藤泰志/小学館(電子文庫パブリ)

●海炭市叙景/佐藤泰志/小学館