【羽田はHNDと書け!】自衛隊の超使えるメモ術を学ぼう!

ビジネス

公開日:2014/10/15

 打合せでのメモを見返して、ガッカリすることがある。

・ゴチャゴチャ
・話の順序が見えない
・字が汚い&字が小さい
・単語の羅列で意味不明

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 一生懸命打合せして書いたのに…これじゃメモした意味がない! こんな経験があるあなたは「メモを取る力が不足している」のだ。

 メモぐらい、と侮ることなかれ。要点を絞り、端的な言葉で綴り、要件を伝える─これは、仕事のプレゼンにも、論文やメールにも、会話にも通じる大切なこと。

 『自衛隊に学ぶメモ術』(松尾喬:著、平野隆之:監修/マイナビ)から、メモ力アップの方法を紹介しよう。

■すべての基本は「正・早・安・楽」!
 自衛隊がすべての基本としている信条が「正・早・安・楽」だ。

「正」=正・誤の判定。
「早」=より早くできる方法を見つけ出すこと。
「安」=もっと安くもっと安心」を追求すること。安ければいいわけではない。「安く」と「安心」のベストバランスを探るのだ。
「楽」=もっとラクにできる方法(手抜きではなく効率的に)。

 この4つの要素の中で、最も大事なのは「正」。正誤の判断=どうあるべきか、どう動くべきか、につながる。その「正」を決するために「早・安・楽」を見極める。この基本は、メモの基本でもある。

■「的確なメモ」をしよう!
 情報伝達のミスが隊員の命に関わる自衛隊では、メモに対して、特に正確かつ簡潔な書き方が求められる。
「誰が見ても内容が推定できる客観性」を持ったメモ…すなわち「的確なメモ」が必須だ。
 会議などで「重要な情報だけもらさず抜き出し、的確な言葉で書き留め」なくてはならない。そのためのテクニックが本書には満載だ。

(1)読みやすく書く方法を会得せよ!
・メモの基本は箇条書き
・一文一意
 →一つの文には一つの内容しか書かない。
・カタカナを使う
 →思い出せない漢字は、カタカナで書く。
 →画数が多い字、読み間違いしやすい字も。
 →直線の多いカタカナは字が崩れにくい。
・英語は母音を省略
 →ハネダ=HANEDA=HND
・時間の書き方
 →「:」は不要。24時間表記
 →午後2時43分の場合=1443

 以上の書き方で実際にメモを取ると……
(例)午後3時にA社が新商品のプレゼンに来社。 
 ×=3:00pm A新商品プレゼンにクル
 ○=1500Aクル。新商品プレゼン。

(2)重要な情報を見極めろ!
・資料中の「目印キーワード」を探す
 →「アンダーライン」や「*」「○」など。
・発言内の「前ふり言葉」を聞き逃さない
 →内容を要約するときに「ようするに」が出てくる。その直後は重要。「つまり」「たとえば」「なぜなら」「だから」などの“前ふり”の言葉も同様!
・そして、重要な情報は大きく書く

(3)メモすべき内容を予測せよ!
 人の話の流れには4つの要素がある。

[P]=Point(要点)
[R]=Reason(理由)
[E]=Example(具体例)
[P]=Point(結論)

「要点→理由→具体例→結論」の順で話をまとめると聞き手は理解しやすくなるという。頭文字をとって「PREP法」と呼ばれる話法だ。これを踏まえて話を聞いていれば、どこに重要な情報が予測でき、メモしやすい、というわけだ。具体例に落としこんでみると…

要点   年末に恋人にプロポーズをしたい。
理由   彼女が24歳のうちに結婚したいと言っているが、来年7月には25歳になる。
具体例  結婚準備は最低でも半年は要るだろう。
結論  ベタだが、クリスマスあたりに指輪を贈ろう。

(4)メモの内容を確認せよ!
・自分でメモを取った場合
 →なるべく早い時間内に内容を「第三者目線」で「自分に質問」し、確認する。
・相手にメモを取ってもらう場合
 →逆質問し、正しい情報をメモしているか確認する。

 駆け足で紹介してきた「メモ術」だが、本書には「メモ帳1冊で情報の一元管理」「大量の資料の読み方」など、情報をどう取捨選択し、伝え伝えられ、最大限に活用するための実践的な方法が満載だ。

 この記事も、その方法論に従って書いてみたが、「的確」に伝わっただろうか? もし、伝わったのなら、メモ術が文章術に応用できると証明できたことになる。そして、このメモ術の思考法はどんな局面でも応用できる。

 あえて断言しよう。メモを制するものは人生をも制す! そう、メモは武器だ!

文=水陶マコト