ネイティブに「なんだと?」とキレられないために! あの“禁断の英単語”を使った英会話本

海外

公開日:2014/10/26

『正しいFUCKの使い方 学校では教えてくれない、取扱注意のFuck、Shit、Damn、Hellを使った99フレーズ』(英語表現研究会:著、MADSAKI:監修、NAIJEL GRAPH:イラスト/トランスワールドジャパン)

『正しいFUCKの使い方 学校では教えてくれない、取扱注意のFuck、Shit、Damn、Hellを使った99フレーズ』(英語表現研究会:著、MADSAKI:監修、NAIJEL GRAPH:イラスト/トランスワールドジャパン)

 アメリカ映画などでよく耳にする単語「Fuck」。その単語の映画での使用最高記録は、レオナルド・ディカプリオ主演、マーティン・スコセッシ監督の『ウルフ・オブ・ウォールストリート』だそうで、なんと506回も使われているという。しかしこの単語、アメリカの地上波のテレビやラジオではNGワードで、その発言部分にはピー音が入る。英語のネイティブにとっては口にすること自体が下品な単語であり、代わりに「F Word」と言われたりするくらいで(Don’t use the F word.…Fワードを使わないで、などと言われる)、どれだけ「使ってはいけない禁断の英単語」であるかがわかるだろう。

 しかしこの英単語、日本では結構軽々しく使われているように思う。先日も道を歩いていたら、50歳前後の少々くたびれたおじさんがデカデカとドクロの絵が描かれたTシャツを着ていて、それだけでもビビったのに、その横に「Fuck The Fuckin’ Fuckers!!!」と書かれていて腰を抜かしそうになった(たぶん息子さんのお下がりだろう)。こんなこと、外国人に言ったら確実にぶっ飛ばされます。それから、よく若い人がイキがって意味もわからず中指を立てたりしますけど、あれも「F Word」と同じ意味になるのでやめたほうがいいです。ちなみにイギリスではピースサインを作って手の甲を相手に向けると、相手を侮辱する意味になりますので気をつけて!(結構このポーズで写真撮ってる人、多いです)

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 そんな話をしていたところ、「中指を立てて“Fuck You”と外国人に言うと仲良くなれる」というとんでもないウソを信じ、のどかな地方都市で見ず知らずの外国人に向かって、歩道橋の上から楽しげに「Fuck You~~~!」と中指を立ててしまった、というエピソードを持つ猛者がいたのだ! その言葉を聞いた外国人は顔を真っ赤にして怒り狂い、もの凄い勢いで追いかけてきたそうで、その人は必死に逃げまわり、最終的に交番に駆け込んで事情を説明、事なきを得たという。

 そのくらい相手が怒る言葉であり、言ったらイケナイのはわかる。しかしどのくらい卑猥な俗語なのか、はたまたどれほど相手を侮辱する意味があるのかは、英語を話せない日本人にはわかりづらい。とはいっても「英会話教室や試験には出ないけど、確実に頻出の英単語」であることは間違いないから意味を知りたい…そんな人には、この言葉がどう使われるのかを解説しているちょっと変わった英会話本『正しいFUCKの使い方』(MADSAKI:監修/トランスワールドジャパン)をオススメしたい。Fuckを始め、Shit、Crap、Damn、Hellの使い方があり、もともとの意味や語源などの解説、単語を使用した99のフレーズ、日本語訳、その言葉を使う際のポイント、代わりのスタンダードな用法、どのように会話で使用するのかの例文とイラストが載っている。またCDが付属しているので発音もマスターできるのだ。

 本書によると「Fuck You」の日本語訳は「ばか野郎、ふざけんな、くたばれ」で、ポイントには「人や物に対して蔑む場合に使う怒りの表現。Fuck offという言葉にも関連して消えろという意味を表す。他者や社会に対しての拒絶や反発の場面で使用」とある。そりゃ異国の地で見ず知らずの人からいきなり「このクソ野郎、消えろ!」と半笑いで言われたら、逆上して「なんだテメェ!」になりますよねぇ。

 これらの単語はもともと卑猥な意味であるが、外国人が使うほとんどの場合は「Very much」の意味、日本語で言うところの「スゲェ・ヤベェ・パネェ」みたいな表現になるというが、間違って使うととんでもないことになるので、本書では「初心者は例文と同じようなシチュエーション時にごく親しい友人だけに、もしくはひとり言で言ってみることをおすすめいたします」「くれぐれも近所の子どもや見知らぬ人や目上には使用しないでください」とある。もし使い方を間違うと最悪は死んでしまうこともある、と肝に銘じた上で学習し、どーしても使いたい人は自己責任で。ご使用の際は、くれぐれもご注意を。

文=成田全(ナリタタモツ)