クリスマス、襲来。 読むと爆発してしまうマンガランキング

なんでもランキング

更新日:2014/12/24

 今年も残すところあとわずか。はやくこいこいと、和やかで厳かなお正月の到来を切望しているところだが、その前に門番の如く堂々と立ちはだかるのが、クリスマスイブ。そしてクリスマスである。大変忌々しい。24日・25日と、関東では雨も降らず満点の星空とのことだ。

 恒例となった、渋谷での「クリスマス粉砕デモ」が例年通り執り行われたのも記憶に新しいが、愛に恵まれない人々にはいささか手厳しい季節となってきた。

 それにしても、最近「リア充爆発しろ!!!」って台詞、とんと聞かなくなった気がする(筆者の主観です)。主にネットで繰り広げられるクリスマス=リア充の祭典への抵抗活動もむなしく、毎年変わらないどころか攻勢を強めるキラキラとした空気に、非リアの精鋭たちもついに飲み込まれつつあるのではないかと、思えてならない。

advertisement

 そんなモテn……非リアな人々に発破をかけるべく、ここでは「読むと爆発してしまうマンガ」、すなわちこれでもかとばかりにリア充な人々(のリア充なクリスマス)が描かれたマンガを、『ダ・ヴィンチ』マンガ班、編集Rが、文字通り出血大サービスでご紹介する。是が非でも恋人をつくってやると発奮するも良し、恋人たちのクリスマスを台無しにしてやると街へ繰り出すも良し。とにかく、これらを熟読し、一人コタツでくすぶっている場合じゃない、と思いを新たにしていただければ幸いだ。

※ここでは便宜上「リア充」=「モテる人々」と定義させていただきます※

1位
どうしても青春したくなってしまう、ラブストーリーの暴力
I”s (1)
I”s (1)
  • 著者名:桂 正和
  • 発売元 : 集英社
  • 価格:713円

 かつて思春期の少年たちを魅了した、ジャンプ恋愛マンガの金字塔。 全く冴えない主人公かと思いきや時折イチタカが見せる男気と、それに惹かれる少女たちの可愛さに心砕かれる。 初読から優に10年以上が経っているが、いま読み返してもクリスマスパーティのシーンは唾を飲み込んでしまう。自分のモテなさを自覚しながらもドキドキしてしまい、現実との乖離にまた絶望してしまうのは私だけではないはず…… 歳を取れば取るほど、読み返すにあたって受けるダメージも深くなるが、非の打ちどころのないハッピーエンドっぷりには脱帽。こんなふうに幸せになりたい。と思い続けて幾星霜。

2位
淀みのない「純愛」を叩きつける
君に届け (1)
君に届け (1)
  • 著者名:椎名 軽穂
  • 発売元 : 集英社
  • 価格:421円

 今更言うまでもない超人気正統派少女マンガ。 暗い(と思われがち)な主人公、爽子が、イケメン素直紳士の風早くんと恋するシンデレラストーリー。嫌な奴が一人たりとも登場せず、全キャラの恋を応援してしまいたくなる。そしてそんな自分が嫌になる。本当にキャラクターが皆心清らかで、ごくごく自然に高校のクラスメイトたちとクリスマスパーティで盛り上がってしまうなど、男子校で青春有り得べき時を潔く空費してしまった身としては、思わず冷や汗がこぼれるシーン多数。「もうお前らみんな幸せになれよ勝手にしろよ」と、読むと投げやりになってしまう。

3位
真っ直ぐに殺しに来る青春物語
君のいる町(1)
君のいる町(1)
  • 著者名:瀬尾 公治
  • 発売元 : 講談社
  • 価格:463円

 マガジンラブコメの巨匠、瀬尾公治氏の力作。 王道のラブストーリーではあるが、特筆すべきは主人公が見た目・性格ともにふつうにイケメンであることか。広島弁を流暢に繰りながら、真っ直ぐな性格で次々と女の子のハートをモノにしていく青大(はると)の生き様に、ただただ打ちのめされる。様々な衝撃展開でも知られる本作だが、展開の急さにマンガと現実の違いをつきつけられ、それにより現実のモテない自分の姿が詳らかに。思わず涙こぼれる快作。

4位
ページがめくれなくなる、猟奇的なセリフたち
僕等がいた(1)
僕等がいた(1)
  • 著者名:小畑 友紀
  • 発売元 : 小学館
  • 価格:421円

 生田斗真主演により映画化もされた、王道名作少女マンガ。 何より特筆すべきは、主人公・矢野元晴の潔いまでのイケメンっぷり。“決めた。クリスマスプレゼント。『約束』ちょうだい。『絶対オレから離れない』って約束。” このセリフに、一体何人の女性が昇天させられてきたのか。何度転生しようともこんなセリフを吐ける自信がない。この物語の幸せな世界の中に自分がいないという現実を直視するたび、やりきれない気持ちが沸々と…… 本当にどう頑張っても辛くてページをめくれなくなったのは、人生で初めての経験だった。ご注意を。

5位
独身女性の、夢そのもの
きょうは会社休みます。(1)
きょうは会社休みます。(1)
  • 著者名:藤村 真理
  • 発売元 : 集英社
  • 価格:453円

 TVドラマ効果もあり、話題沸騰中のアラサー女子モノ。彼氏いない歴=処女歴=年齢=30歳の冴えないOLが、イケメンの大学生&実業家の間で揺れ動く、マジでガチなシンデレラストーリー。大声で「夢見んなよwww」と言いたいけれど、モテない自分にはそんなことを言う資格もないと、言外にビシビシ指摘されているようで、ひっそりと負った心の傷、多数。自分は福士蒼汰と玉木宏の足下にも及ばない人たちの足下にも及ばないのだなぁ、としみじみと痛感する。 夢物語のアラサーモノだと思って侮っているとエライ目に合うので、くれぐれも気を付けて欲しい。

 さて、皆さんのHPはまだ残っているだろうか。非常に心配です。

 ただ、うわついた渋谷の街の片隅で、こんなものをチマチマと書いている人間がいるってこと、忘れないでほしい。

 リア充になりきるか、開き直って幸せを破壊する側に回るか。いずれにせよ、アクティブで楽しい2日間を過ごしていただければ幸いである。

 メリークリスマス。

文=編集R