『山田孝之の東京都北区赤羽』 実在する人物・地名・団体とは一切合切関係あります!

テレビ

更新日:2015/10/9

 とあるバーで、たまたま山田孝之さんの隣に座ったことがある。共通の知人もいたので声をかけると、笑顔で会話が始まった。10分後。『闇金ウシジマくん』の役作りで体をバキバキに鍛えていた山田さん指導のもと、一緒にスクワットをしていた。20分後。バーにいた全員がスクワットをしていた。新しく店に入ってきた客がワッと叫んで、ようやく我に返った。その瞬間、彼が出演するバラエティ番組を見た時感じていた印象が確定することとなる。俳優・山田孝之=日常に、非日常を出現させる男。

 そんな彼の最新主演作が、1月より全12回放送予定の『山田孝之の東京都北区赤羽』だ。松江哲明とともに共同監督を務めた山下敦弘は、「連続ドキュメンタリードラマ」という謎めいたジャンル名で表現している。企画の発端は、清野とおるの実録エッセイマンガ『ウヒョッ! 東京都北区赤羽』の存在だ。このマンガ家が活写する赤羽という街は、あまりにもミステリアスで、あまりにもオリジナリティ溢れる隣人揃いだった。この街はいつもこんな姿をしているのか? 違う。最重要ポイントは、観測者だ。清野とおるもまた、「日常に、非日常を出現させる男」なのだ。

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 2014年夏。清野とおるに連れられて、山田孝之が赤羽の街をさまよい、住人たちと魂の会話を交わした。これは、その記録だ。実在する人物・地名・団体とは一切合切関係あります!

文=吉田大助