大流行のアラサー女子モノ “こじらせぶり”際立つ

マンガ

更新日:2015/1/15

 「あの時、こうしていたら…いれば…」タラレバばっかり言って、結婚に行き遅れたアラサー女の生き様を描く『東京タラレバ娘』。本作のような、アラサー女の“こじらせぶり”をテーマにした作品が、ここ数年、熱い!

 現在のマンガ市場を支える読者が、まさにアラサーだからこそかもしれないが、ここ数年のブームの流れを改めておさらいしたい。

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 2000年代は、『働きマン』や『Real Clothes』など、恋より仕事!といったキャリア女子を肯定する作品が目立っていた。励まされた読者は多いが、10年代に入り、読者もちょっと疲れてきた? 結婚できない女たちの実態を自虐的に嘲笑う『アラサーちゃん』のような作品が増え、人気を博すようになった。同時に、「せめてマンガでは夢を見させてくれ!」と言わんばかりに、『きょうは会社休みます。』のようなアラサー女の不器用な純愛ものも増えている。マンガならではのドリーミーな展開に癒やされている読者が多いのかもしれない。

 また、長らく同棲している未婚カップルならではの悩みを描く『にこたま』、ドロドロのダブル不倫もの『あなたのことはそれほど』など、独り者のアラサー女にとどまらない“こじらせぶり”を描いた作品も際立っている。

 2014年には、フランスのアラサー女子を主人公にした『ジョゼフィーヌ!』の翻訳版も発売され、アラサー女の「タラレバ」が、フランスでも共通語であることを教えてくれた。こうして列挙すると枚挙に暇がない。今後の広がりも楽しみである。

文=倉持佳代子