「洲崎綾」声優インタビュー&撮り下ろしグラビア【声優図鑑】

アニメ

更新日:2015/7/9

洲崎綾

これからの活躍が期待される声優に、声優を目指したきっかけや、初めてのお仕事、そしてプライベートなことまで、気になるあれこれについてインタビューを行い、さらに撮り下ろしのミニグラビアも交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。

第47回となる今回は、『キルラキル』の満艦飾マコ役、『トリニティセブン』のセリナ=シャルロック役、『THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS』の新田美波役を演じ、ラジオ「洲崎西」でも活躍している洲崎綾さんです。

――撮影の感想を聞かせてください!

洲崎:前はこういう撮影では、ピースばっかりしてたんですよ(笑)。最近、ようやくポージングができるようになってきました。なんとなくオシャレふうなポーズをキメてます。

――さて、アニメ「トリニティセブン」では、洲崎さんはセリナ=シャルロック役を演じていらっしゃいましたね。

洲崎:セリナは双子の妹役ですね。新聞部に所属していて、学園のスポークスマン的な存在。天真爛漫で、ポジションとしては賑やかし役です。東山奈央ちゃんが演じる「トリニティセブン」の1人、リーゼロッテ=シャルロックがお姉ちゃん。佐倉綾音ちゃんが演じているレヴィと一緒に、原由実さん演じるリリスをいじっている感じです。

――女の子キャラがいっぱいのアニメですが、現場の雰囲気はいかがでしたか?

洲崎:とにかく女性がいっぱいの現場ですね! すごく和やかで、休憩のあいだもワイワイ。共演者に佐倉綾音ちゃんや村川梨衣ちゃんと3人で、アフレコの後にご飯を食べに行ったりしています。


――西明日香さんと一緒にやっているラジオ「洲崎西」についてもうかがっていきます。洲崎さんと西さんのトークが面白いと大人気です。

洲崎:ありがとうございます。リスナーさんがくれるお便りメールも面白いんですよ。

――お便りはどうやって選んでいるんですか?

洲崎:届いたものの中からある程度選んで作家さんが持ってきてくれるんですけど、それに全部目を通して、気になったものをピックアップしています。みんな面白い感じで書いてきてくれますね。「うまい棒は何味が好きですか?」みたいな短文のお便りも好きで、そういうのを送ってくれる人も多いです。

――リスナーさんが、洲崎さんと西さんの好みを研究してきている感じでしょうか。

洲崎:もしかしたらそうかもしれません(笑)。「リスナーさんのくれるメールもどんどん面白くなってるね!」って明日香と一緒に言ってます。

――「洲崎西」は80回以上放送されていますが、最初から現在のような雰囲気ですね。

洲崎:そうですね、初回だけは明日香が敬語を使っていたんですけど、今だと考えられないですね(笑)。2回目くらいからはすでにほぼ今の形になっているんじゃないかなと思います。


――西さんとは「洲崎西」以前から親しかったんですか?

洲崎:会ったのは、「洲崎西」の打ち合わせで2回目くらい。それまでちゃんと話したことはなかったので、今思うと「まさかこんなに仲良くなるとは!」って感じです(笑)。

――「洲崎西」が始まる前は、西さんにどういう印象を抱いていましたか?

洲崎:あんなにぶっとんだ感じの子には見えなかったですね(笑)。でも年が近いし、気が合いそうだな~という感じは初めからしてました。

――仲良くなったきっかけはなんでしょうか。

洲崎:一緒にラジオをやるからには、仲良くなって、腹を割って話せる方が面白いなと思ったんです。ラジオの時間だけじゃすぐには仲良くなれない。なので、初回か2回目の放送後に、お茶に誘っていろいろ話をしました。あとから聞いたら、明日香も「この子とは仲良くなれそうだ」って思ってくれたみたいです。あと、「お風呂行こう!」って誘いました(笑)。やっぱり裸の付き合いをしたほうが一気に距離が縮まる気がするんですよ。日本人独特の考え方なんですかね?

――お風呂エピソードもラジオで話してらっしゃいましたよね。「これをラジオで話すんだ!」とびっくりしたファンも多いと思います。

洲崎:あはは(笑)。どこまで喋っていいかとか、どこまでだったら相手が不快な気持ちにならないかなとか、その辺りのフィーリングが明日香とはすごく似てるんです。だから仲良いのかなって思います。「そこまでは言ってほしくなかったのに」ということってきっとありますけど、それが明日香とだとあんまりないんですよね。

――ラジオの前には、どんな打ち合わせをしているんですか?

洲崎:いつもどおり喋って、「このメール見て! ウケる!」みたいな会話をしているだけで打ち合わせが終わっているので、打ち合わせという打ち合わせはしてないですね。「台本がすごいんじゃないか?」って初めのころ言われてましたけど、台本にはほとんど何も書いてないんですよ!(笑)

――洲崎さんの「毒舌トーク」も人気です。

洲崎:「毒舌」はあんまり意識したことはなくて、素を出していこうと思っています。「○○キャラでいこう」というよりは、素のままでやって、そんな私を応援してくれる方がいればいいな、という感じです。


――「洲崎西」で思い出深い回はありますか?

洲崎: いろいろなところにロケに行ってる「DJCD」が思い出深いです。「vol.3」では明日香の地元の兵庫県、「vol.4」では私の地元の石川県。お互いの実家でもロケをやってるんですよ!

――なかなかない企画です。

洲崎:すごく楽しかったですね! とにかくお互いの両親が私達のことが大好きなので、すごくよくしてくれて…どっちの家に行ったときも、すごいご馳走を用意してくれました。明日香の家に泊まらせてもらって、一緒にお風呂入ったり、明日香の部屋で一緒に寝たり…学生時代の友達みたいな雰囲気で、遅くまで二人で喋ったりしました。

――修学旅行みたいですね。

洲崎:本当にそういう感じですね! ちっちゃいころのアルバムを見せてもらったんですけど、明日香、めっちゃかわいかったです(笑)。

――明日香さんのロケの感想はどんなものでしたか?

洲崎:おんなじような感想ですね。「家族に愛されているんだなぁ」ってお互いにわかって、ほっこりしながら帰ってきました。あとは「みんな似てるね! マトリョーシカみたい!」って言ってたかな。おばあちゃんも、おかあさんも、おばも、みんな雰囲気が私に似てて、しかもどんどんちっちゃくなるんです(笑)。

――「洲崎西」は8月に初の単独イベントもやってらっしゃいましたが、感想を聞かせてください!

洲崎:普段聞いてくれているリスナーの方が目の前にいて、「あっ、この方たちが毎週火曜日の夜にA&G+を聞いてくれているのか…」と嬉しく、身近に感じました。もともとリスナーの方と距離の近い番組かなとは思っていたのですが、イベントではみなさんの反応が見ることができてすごくよかったですね。

――イベントといえば、11月に京都大学のトークイベントにも出演されています。洲崎さんはどういう学生時代を送っていらっしゃいましたか?

洲崎:めっちゃ真面目だったと思います。後悔しないようにやりたい事は全部やっておきたいなって。教員養成系の大学で、子どもと遊ぶサークルに入っていて、休みの日はその活動をしていました。それにプラスして声優の養成所に通っていたのですが、お芝居の稽古をしていた時間のほうが長いかもしれませんね。レッスン日以外も、みんなで代々木公園に集まって練習をしたり。昔を振り返ると、すごく頑張り屋だったなと思います。


――ここ数年、たくさんの作品に出演してらっしゃいますが、声優さんとして変化や成長を感じることはありますか?

洲崎:この1、2年、とにかく無我夢中で、がむしゃらに先輩方から学びながらやってきた感じなので、まだ「振り返ってどう」って言うほどの余裕がないかもしれません。でも、今たくさん時間をかけて一つの作品ごとに集中して向き合っていることは、あとから振り返った時に、きっと大きな財産や引き出しになっているんじゃないかなと思います。以前と比べて、ありがたいことにお仕事が増えていて、「時間が足りないな」と感じるときもあるんですけど、今が頑張り時だと思っています。

――役にはどのように向き合っていらっしゃいますか?

洲崎:毎回、いろんな作品に会うごとに、1から役を作るというか、どんな役でも新たに挑戦するような新鮮な気持ちで取り組んでいます。何年経ってもそういうスタンスで、初心を忘れずにいたいです。

――監督さんやスタッフさんの言葉で印象に残ったものはあるでしょうか。

洲崎:「キルラキル」のときに、7話で音響監督の岩浪美和さんから頂いたディレクションが思い出深いです。私が演じている満艦飾マコがお金持ちになって、ふだんの明るい感じとはうってかわってそっけない感じになる回です。「キルラキル」は普段ほとんどリテイクがなかったのですが、この回は、なかなかAパートがうまくできなかったんです。

――ふだんのマコとのギャップが激しいですから、大変ですよね。

洲崎:難しかったです。どうしても朗らかなニュアンスになってしまって。うまくできないときって、できるまで何回もやるやり方もあると思うんですけど…岩浪さんは、そのシーンを1番最後にしてくださったんです。Bパートまで全部やったあとに、「それじゃあAパートに戻ろうか」と。今度は「ああ、Bパートのあのシーンを際立たせるためには、ここで冷たくやらなきゃだめなんだな」って自分の中でストンと納得して、OKが出ました。全体の中で、ひとつひとつのシーンにどんな意味がこめられているとか、どんなふうにメリハリをつけるかとか、自分のキャラがその作品の中で果たす役割とか、そういったものを「キルラキル」の現場から学びましたね。


――先輩の声優さんからのアドバイスはいかがですか?

洲崎:「キルラキル」の現場は、すごくアドバイスをいただける場所でした! 柚木涼香さんや堀内賢雄さんから「もっと遊んだ方がいいよ」「こうした方がもっとかっこよくなるよ」と言っていただいて、すごく勉強になりました。

――マコは遊びの部分が多くて、視聴者にとって癒しのキャラクターですが、そうやってできていったんですね。

洲崎:でも、マコが「キルラキル」の雰囲気や空気感の中で「癒しポジション」というのは、オーディションの時から意識はしていました。そこを基軸にして私の中でマコを作っていったところがありますね。とにかく作品がいい意味でわけのわからない、コロッケみたいな作品で、マコはその象徴かなと思います。「もっと遊びたいな」というところもありましたけど、自分のできる範囲でやれることはやれたかなと思います。

――「キルラキル」の収録が終わったときは、どのように感じましたか?

洲崎:「これで本当に卒業なんだなー、寂しいな」と感じました。2クールものの作品に出演させていただいたのが初めてだったので、とにかく寂しい気持ちがいちばんに来ました。他のみなさんも言っていたのですが、「キルロス」(キルラキル+ロス)に私もなりました。「さみしいな、みんなと会いたいな…」状態でしたが、打ち上げ旅行の話もあるので、今はちょっと緩和されています(笑)。


――冬アニメにも「シンデレラガールズ」「艦隊これくしょん」「暗殺教室」などのタイトルが控えていますが、今後はどんな役を演じていきたいですか?

洲崎:男の子キャラをやってみたいですね。それと、これまでどちらかというと明るいキャラや優等生キャラを演じることが多くて、陰のあるキャラや悪い子をやることがあまりなかったんです。なので、そういうキャラを演じられれば、自分の役者としての幅が広がるのかなと思います。ナレーションや、洋画の吹き替えの仕事も挑戦してみたいですね。

――最後に、抱負をお願いします!

洲崎:「キャラクターに声を当てる」ことが大好きです。これからも皆さんに沢山声をお届けできるよう、色々な作品に関わらせていただけるように頑張っていきたいです!


――ありがとうございました!

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

洲崎綾

洲崎綾(アイムエンタープライズ)
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・個人ブログ「Clown’s Pocket!」
http://ameblo.jp/clown-happy/

取材・文=青柳美帆子、撮影=山本哲也、制作・キャスティング=吉村尚紀