東電株主総会、五輪招致の会場…気になる「あそこ」に潜入レポート! コラムニスト今井舞さんインタビュー!

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/21

一度は行ってみたいが、行動するにはなかなかの勇気がいる、しかしそこまでして行ってみたいか、と言われるとそれほどでもない、だけどなんだかとっても気になる…という場所はないだろうか? そんな好事家でなければ普通は行こうと思わない「あそこ」へ潜入し、レポートしたのが、あの毒舌コラムニストによる『今井舞がゆく! 気になる「あそこ」見聞録)』(今井舞/新潮社)だ。

潜入したのは「アムウェイ・プラザ東京」「創価大学オープンキャンパス」「免許停止処分者講習」「石川遼父の講演会」「自費出版説明会」「劇団のシニアコース」「長渕剛・日本武道館ライブ」「天皇誕生日一般参賀」「松田聖子 ディナーショー」「『笑っていいとも! 』観覧」などなど、マニア垂涎(?)のなかなかどうしてな場所がズラッと勢揃いしているのだ!

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そこで、本名などプロフィールが一切非公開という今井さんに極秘ルートからコンタクト、コッソリと取材を敢行した!

――今井さんというと、タレントやテレビ番組へのツッコミ記事のイメージがありますが、どんな経緯でレポートものが始まったんでしょう?

「以前、テレビ各局の夏のイベントを取材したことがあって、それを見た編集者が“レポートもいけるんじゃないか?”ということで『新潮45』で連載が始まったんですよ。でも芸能ネタの連載が多いので、もうこれ以上はタレントやテレビのことについてはできないし、じゃあどうするか、という消去法で決まったのが“あそこって本当のところ、どうなってんだろう?”という場所へ行く見聞録だったんです。なので熱~い編集者魂もなく、何かを暴いてやろうというジャーナリスト魂もなく、わりとションボリと決まったんですよ。で、連載が始まった当初、“本にしましょう!”って言われてたんですけど、私は2005年に出した『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)から本を出していないので、どーせ社交辞令だろうと思ってたらホントに出すことになってちょっとビビったんですが、“新潮社の編集者が出すって言ってんだから!”と思って(笑)」

――ションボリて(笑)。しかしいろんな場所へ行かれましたね。

「やってみると面白くて、その場所へ行ってみれば何かしらのツッコミポイントってあるなぁ、と思いましたね。そうでもなければ一生行かないところばっかりですし。浅草サンバカーニバルとか東大の合格発表みたいなのって、ニュースとかでちょっとだけ映ったりしますけど、実際に行くと“こんなことになってたのか!”ということがたくさんありましたよ。東大の合格発表は家族連れで来るもんなんだなとか、東大生が“東大、大したことないっすよ”なんて言うけど、合格したときはスゴイ喜んでんだな、とか色々と感慨深いものがありましたね。実際、私が取材に行った2013年で紙を外に貼り出すっていう合格発表は最後だったそうなんで、昭和の風景を見に行っといてよかったな、と」

――これはツラかったな~、というところはどこでしたか?

「ツラかったところは色々ありましたけど、精神的に一番キツかったのは…東京電力の株主総会ですかね。あとは雨で寒い中ずっと並ばされた東京スカイツリーのオープン初日とか。浅草サンバカーニバルの取材も炎天下でツラかったですけど、ここは見ている人たちがホント凄くて、酒飲んでるのなんて普通で、踊ってるお姉さんたちを見ながら、ずっと手を自分のズボンの中に入れているおっさんとかいて、カオスでした…」

――そ、それは…なかなかの香ばしさですね(笑)。

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