子ども向けの「テーブルマナー絵本」が大人にもタメになると人気

暮らし

公開日:2015/2/1

 少子化の影響もあってか、育児意識が高い親が増えているという。外遊びは何がいいか、家庭学習のポイントは? ファミリーに人気のお出かけスポットは?など。子どものためを思い、親は情報を探って、育児に生かしていく。一方で、厳しくするところは厳しくが当然だが、一昔前に比べて「子どもを伸び伸び育てよう」という風潮が強いように感じる。

 しかし、たとえば“テーブルマナー”である。家で食べるときはまだしも、友人知人の家に呼ばれたり外食をしたりするときに、テーブルマナーがあまりに奔放自在だと、親は冷汗もの。できることなら、小さなうちから少しずつ教えておきたい。

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 『テーブルマナーの絵本』(高野紀子/あすなろ書房)は、知っておきたいテーブル作法をかわいい絵とやさしい文章でわかりやすく紹介。子どもと一緒に無理なく読める。基本的な箸づかいからカトラリーやナプキンのマナーまでが幅広く網羅されており、アマゾンのレビューでは「大人の再確認にもってこい」「タメになる」「眺めるだけでも勉強になる」などと高評価。初版の2011年から売れ続けている。

 さて、あなたのテーブルマナーレベルはどれくらいだろうか。本書から少しだけ、問題形式で紹介する。

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【お箸・和食編】

次のうち、1つが誤っている。どれか。

(1)「踊り箸」とは、おしゃべりにむちゅうになって、持っているお箸を振り回すこと
(2)お箸で人を指す「指し箸」はとても失礼なこと
(3)お箸についたごはんつぶなどを口でもぎとって食べる「もぎ箸」はしない
(4)汁がたれやすいものなどを食べる時、お箸の下に「手皿」として手をそえる
(5)お箸で口いっぱいに押しこむ「押しこみ箸」はしない
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答えは(4)の手皿である。行儀がよいと思っていた人がいたのではないだろうか。汁をよく切るか、取り皿などにうつして食べるのが正しいマナー。
次はどうだろうか。
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【ナイフ・フォーク編】

 次のうち、1つが誤っている。どれか。

(1)ナイフ・フォークは軽く持つ
(2)食事のとちゅうでナイフ・フォークを置く時は、お皿の中で「八」の時にする。フォークは下向き
(3)食べ終わったら、ナイフ・フォークをお皿の中へそろえて置く。フォークは上向き
(4)フォークの先を上に向けて置くのはイギリス式。下に向けて置くのはフランス式
(5)肉などを切るときは、右端からひと口ずつ。はじめに全部を切ってしまわない

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 答えは(5)。左はしから切る。はじめに全部を切ってしまうとラクだが、おいしい肉汁が流れだしてしまう。ちなみに、(4)のイギリス式とフランス式については、スープをすくう際のスプーンにもある。イギリス式は手前から向こう側にすくうが、フランス式は向こう側から手前にすくう。

 オードブルナイフや魚用ナイフなど各種カトラリーが一挙終結しているページもあり、子どもが「全部を使いこなせるようになったらカッコイイだろうな」と目をキラキラさせることうけあいだ。

 本の最後には、「いつかわたしたちも」として、結婚式などでのマナーが紹介されている。

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【白いナプキンのある食卓編】

次のうち、1つが誤っている。どれか。

(1)ナプキンは二つ折りにし、ひざに置く
(2)口や指をふく時は、二つ折りの外側を使う
(3)食事のとちゅうで席を立つとき、ナプキンはいすの上か背に置く
(4)食事が終わったら、軽くたたんでテーブルに置く
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答えは(2)。二つ折りの内側を使う。

 今、国はグローバルに活躍できる人材を育てることに注力している。海外で食事をする、誰かと食事をするなどの場面が増えることを想定して、テーブルマナーは知っておいたほうがよいだろう。マナーを意識することで、食事が楽しくなり、食べ物や作ってくれる人への感謝の念が育つ。良好な人間関係づくりにも生かせるだろう。気軽に開くことができるマナーの教則本として、家に置いておきたい一冊だ。

文=ルートつつみ