200兆円の素晴らしき妄想! FC東京サポーター土屋礼央の味スタ満員計画!?

スポーツ

公開日:2015/2/20

 Jリーグ開幕まで1カ月を切った。代表監督問題でイラつき、今年から始まる2ステージ制に首を傾げながらも、サポーターはリーグ開幕に向けバイブスが上がっていることだろう。

 誰もが応援するクラブチームの優勝を願って止まないが、サポーターを長年やっていると、結果より「クラブが存在すること」「試合のある日々」が愛しくなってくる。

advertisement

 同じクラブを愛する数万の人たちがスタジアムに会し、タマコロの動きに一喜一憂するあの瞬間には、大げさでなく奇跡的な感動がある。勝ち負けは味付けに過ぎない。

 そんな喜びをひとりでも多くの人と分かち合いたい。なんなら、大好きなFC東京のホーム「味スタ(味の素スタジアム)を満員にしたい!」と、熱烈なFC東京サポの土屋礼央氏が、妄想を爆発させた1冊を作ってしまった! それが『FC東京のために200兆円で味スタを満員にしてみた』(KADOKAWA メディアファクトリー)である。

 タイトルだけ見ると「なんのこっちゃ?」だが、端的に表すならば本書は「土屋礼央的FC東京の魅力大百科」である。「友人を観戦に誘って味スタを満員にしよう」と、土屋氏が選手と対談したり、「財閥一郎、FC東京のために200兆円で味スタを満員にしてみた」と妄想コラムを綴ったり、楽しい内容が盛り沢山。正直、FC東京サポ以外に読む人はいないだろうと思うが(笑)、その潔さと「他サポとの座談会」や「FC東京サポのアンケート」といった「客観的な視点」から「俺達の東京とは?」「どうアピールすべきなのか?」を追求している感じが、心地よいし興味深い。

 では、FC東京の魅力とは? サッカー初心者の友人をスタジアムに誘うには何をアピールすればいいのか? 本書に記された選手やサポーターたちの言葉の中に、そのヒントがあった。

(1)高橋秀人選手「(森重選手は)イケメンを見に来て欲しい、って取材で答えてます」
 サッカーを知らない人にいきなり戦術や技術論を語ってもポカーンとなるだけだ。選手に興味を持ってもらうことは初歩中の初歩だろう。幸いにも現在のFC東京には日本代表選手が3人もいて(森重真人選手、太田宏介選手、武藤嘉紀選手、2015年1月時点)、素人さんにも説明がしやすい。しかも代表選手のみならず、FC東京は全体的にイケメン! そんなイケメンたちが、ひたむきにボールを追いかける姿は相当な破壊力を持つはずだ。そうだ、イケメンを見に行こう!

(2)他クラブサポ 「都会、楽しそう、自由、可愛い子も外国人も多い」
 「他サポと土屋氏の対談」から見えてくるFC東京サポーターは初心者に優しそうだ。他のチームの場合、大小様々にサポーターの団体が存在し、応援のルールなどもあって息苦しい時もある。だが、東京には団体がないという。ゆえに全体的に自由で、新規ファンでもゴール裏に行きやすい。サッカーはわからなくても、ゴール裏で一緒に声出したり、飛び跳ねたりするだけでも十分楽しいものだ。可愛い子との出会い、イケメン外国人サポとの出会いもあるかも?

(3)石川直宏選手「ネガティブなところから誘うのはどうですかね?」
 石川選手は言う。「大好きなチームなんだけど頼りなくってさぁ。応援に協力してくれないかな」というようにマイナスからの勧誘はどうか? 「そうすれば勝った時に“すごかったじゃん!”となるし、負けても言い訳しないで済む(笑)」と。
 もちろん、応援するチームの勝利以上に盛り上がることはないけれど、日本人は負けている方を応援したくなる国民性がある(笑)。負けそうなチームを応援して少しでも選手の奮闘を感じたり、応援の一体感を感じるのも生観戦の醍醐味の一つだ。

 この他にも、本書にはFC東京の魅力が詰まっている。サポーターの皆さんには、ぜひ手に取って開幕前の気持ちを盛り上げていただきたい。そして、スタジアムに足を運んでほしい。土屋氏とサポーターが一緒に写った数十枚の写真のような「笑顔」を、あなたも味わえるはずだ。

文=水陶マコト

●2月21日(土)、22日(日)に六本木ヒルズでキックオフイベント「FC東京“祭(MATSURI)”presented by 東京ガスライフバル」が開催される。 本書を読んでFC東京のことが気になってきた人は、六本木ヒルズに行ってみよう!